海外からペットを連れて帰ることは動物の輸入という扱いになり、日本の動物検疫所の規定に従う必要がある。コロナ禍で、書類発行や空港での所要時間に変動がある可能性も。基本的なタイムラインと注意点を、最も一般的な犬と猫の場合で紹介する(2021年6月14日時点の情報)。
1. マイクロチップ装着(8カ月前)
国際標準化機構(ISO)の基準に適合するマイクロチップが必要。アメリカは州や動物病院によって子犬・猫の時に埋め込まれる種類が異なる。
2. 予防接種(7、8カ月前)
狂犬病の予防接種は2回。2回目の接種は初回から30日以後1年以内に。
3. 狂犬病の抗体価検査測定(6カ月前)
動物病院で血液の採取をし、日本の農林水産大臣が指定する機関にて検査が行われる。結果の書類は病院に届くので、原本を郵送してもらうか取りに行く。採血日から日本到着時まで、最低180日経過している必要がある。この書類は2年間有効なため、帰国日が多少遅れても対応できる。
4. 到着空港へウェブサイトで事前届出(1カ月半前)
到着40日前までに、利用予定の日本の空港を管轄する動物検疫所に連絡。届出書はオンライン(www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/system/97.html)でダウンロードが可能。ファックス、郵送、またはメールにて提出する。その後、届出受理書が交付される。
5. 帰国直前の健康検査(10日前)
出発の10日前以内に狂犬病およびレプトスピラ症(犬のみ)にかかっていないかの診断を動物病院で受け、証明書を作成してもらう。同時に、日本はほかの病気の検査も勧めているので、詳しくは動物検疫所のウェブサイトで確認を。記入書類も同サイトで日本の推奨のものを入手する。
6. 米国農務省動植物検査局にて裏書をもらう(1週間前)
輸出国政府機関である米国農務省動植物検査局に今までにそろえた書類の裏書きを発行してもらう(手数料あり)。裏書きの受領は郵送のオプションもあるが、時間の関係上事前に予約をして直接近隣のオフィスに出向くことをおすすめする。申し込みはウェブサイト(www.aphis.usda.gov/aphis/home)にて。
7. 空港到着後の輸入検査申請・輸入検査(当日)
日本到着後、動物検疫所にて輸入検査申請を行う。検査結果や書類に不備がなければ短時間でペットを引き取ることができる。
上記のプロセスだけで約600ドルから800ドルかかる。動物病院によっては対応していない場合もあるため、早い段階でかかりつけの病院に問い合わせを。代行業者を利用すれば、帰国当日の空港までの送迎を含めた出入国での一連の手続き・作業を、専門家に一括で任せることが可能。日本のエージェントなら、日本語で説明を受けられるメリットもある。ケージの規定違反や書類の不備があると、現地に到着したペットが空港で長い係留措置を受けるほか、最悪の場合は元の国に返送、または殺処分という結果につながることも。まずは自分とペットの状況に適した手段を見つけてみよう。
(参考:農林水産省動物検疫所ホームページ www.maff.go.jp/aqs)