SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!
4年半前、シアトルとフェリーでつながるこの街に暮らし始めて、まず調べたことのひとつに、有機野菜の宅配サービスがある。この辺りはスーパーが徒歩・自転車圏内にないうえ、ファーマーズ・マーケットもなぜか平日午後の開催であまり通えそうになかった。すっかりペーパードライバーの私にとって、おいしい野菜の入手経路は非常に重要な懸案だ。ところが、シアトルから海を隔てているせいか、どこも配達圏外だったのだ。地元のアマゾン・フレッシュでさえも! 唯一、フル・サークルというサービスを試してみたものの、配達が深夜だったため、アパートのオートロック事情と相容れず、利用を諦めてしまった。
昨年末に同じ市内で引っ越しをした。そこでふと、もう一度調べてみようと思い付いた。今なら選択肢も増えているかもしれない。すると……なんということでしょう!コロナ禍によるオンライン・ショッピング需要増のおかげか、有機野菜の宅配サービスもよりどりみどりになっていた。パンデミックではつらいことばかりだったが、生活に関しては便利になった部分もあるなぁと感じる。人々の日常というものは、歴史の中でこんな風に変化してきたのだろうか。
さて、話を戻そう。その中で候補に挙がったのが、ミスフィッツ・マーケットと、インパーフェクト・フーズだ。どちらも、見た目の良くない規格外品や過剰在庫の食品を安価で提供するというもので、食品ロス削減を目的とした定期購買サービス。最低購入金額や送料、ネット上のレビューなどを比較検討した結果、野菜のバラエティーがより豊富な(ナスとシシトウが決め手だった)ミスフィッツ・マーケットを試してみることに決めた。ちなみにパントリー商品の品ぞろえはインパーフェクト・フーズのほうが良いらしい。日常の買い物をひと通り、という人にはこちらが便利かもしれない。
ドキドキしながら迎えた最初の配達。開けてみて、なかなかの品質に驚いた。農作物は規格外として生産者が選り分けた後、通常の流通を経ずに消費者の元へ配送されるため、スーパーで買うよりも早く新鮮な状態で届くということらしい。今は毎週月曜に届くのを楽しみにしている。実は、配送中の揺れで一部の商品がつぶれてしまっていたことがあったが、カスタマー・サポートに連絡するとスムーズに返金手続きをしてもらえた。これなら何かあっても安心だ。
新鮮な野菜が安く手に入り、生産者にもお金が入る。そして廃棄食品が減る。なんと、ウィン・ウィン・ウィンじゃないか!
■Full Circle
1996年、ノースベンドの農家から始まったシアトル拠点の完全有機野菜宅配サービス。ボックスの大きさを選び、自由にカスタマイズできる。オレゴン州を含むノースウエストの農場の野菜や果物ほか、肉、魚、卵、乳製品などもそろう。
■Misfits Market
2018年にフィラデルフィアで設立され、現在はニュージャージーを本拠とするスタートアップ企業。商品のほぼ全てがオーガニック、または非遺伝子組み換えとなっており、アメリカ産のものを主に取り扱う。最低購入価格は30ドルで、送料は6.99ドルから。
■Imperfect Foods
2015年設立。サンフランシスコに本社を置く。食品以外に化粧品などさまざまな商品から選べ、ほかにはない限定アイテムの取り扱いもある。送料が4.99ドルかかるが、60ドル以上の購入で無料に。梱包資材の回収・再利用サービスあり。
参考資料