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地球に優しいは体と心にも優しい。草木染めを知る〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

前回のコラムで、今年の夏、使いすぎてすっかり色あせたお気に入りのハットとサロペット二着を、植物染料による染め直しサービスに出した話をした。どれも染め上がるまでおよそ1カ月弱。手元に届いたパッケージをドキドキしながら開けてみて驚いた。草木染めというと、柔らかな風合いをイメージしていたが、予想に反し、ぎゅっっと濃縮したような、しっかりとした色に染め上がっている。かっこいい! 大阪の染色ユニット、ワイ(WUY)にお願いしたハットは、ユーカリや玉ねぎの皮などを使って染めたと手書きのメッセージが添えられていた。さらにふわっと漂うその香り。独特のハーブのような、木を焼いたような香りは確かに虫除けになりそうだ。もちろん不快なものではなく、なんならとっても気分が良い。

濃いめのミリタリーグリーンに茶を混ぜたような渋い色に。ワイの「Y」は、「や」りたいことを、「や」りたい時に、「や」りたいだけ、というコンセプトから。心地よい暮らしとは? と考えさせられる

そもそもなんで今回草木染めをやろうと思ったかというと、草木染めってホントに良いの? なんで良いの? という疑問がずっとあったから。調べると、なんだか良いことづくめすぎる情報が出てくる出てくる。自然由来で化学物質を含まない染料は、環境負荷が少ない(これはなんとなく予想がついた)うえ、それぞれの染料によって抗菌作用や香りによるリラックス効果、血行促進や保温、虫除け、肌への負担がかからない、などなど……。でもやっぱりその分、大量生産するには手間がかかりすぎるし、コストもかかる。だからこそ、個人で楽しむにはもってこいなんじゃない? という気がする。とはいえ、自分で突然やるにはちょっとハードルが高い。そこで染め直しサービスを利用してみた、というわけ。だとしても、気に入らなかったら意味がない。お気に入りの子たちがどう生まれ変わるのかは、ある意味ギャンブルだったのだが、結果は大満足。新品同様、だけど使い込んだ味はそのままに返ってきた。そしてその効果にも、早速納得。

こちらは染め屋貴久さんに依頼した二着。もともとブルーのサロペットは、藍染で縹はなだ色に。薄い蓬よもぎ色だったジャンプスーツは老おいたけ竹色で。それぞれ昔ながらの日本の色合いでオーダー

そして草木染めって、実は思うよりももっともっと手軽なものらしい。WUYは夫婦で活動する染色スタジオだが、もともとは妻の山里歩美さんが、育児のかたわら、子どもたちと散歩中に摘んできた草花を使い、台所で染めもの遊びをしていたことがきっかけだったそう。「お鍋、コンロ、シンクさえあれば誰でもできるんだよっていうことを伝えたくて」と。ほら、なんだか私にもできそうな気がしてきた。それにしても台所遊びからおこるビジネスとは。これはなんだか素敵な話が隠れているのでは? ということで次回、WUYにまつわるお話を聞いてみることにしてしまったのでした……またまたつづく。


■WUY
https://wuy7.comhttps://wuy.stores.jp

染め師の山里歩美さん、章悟さん夫妻による、草木染め染色ユニット。「Re:染め」と呼ぶ衣類の染め直しは、大阪府和泉市が認定する特産・技術ブランド、「いずみ印」に認定されているアップサイクルな取り組み。通常の草木染めとは一線を画す鮮やかで力強い色彩が特徴。ワークショップや自宅でできる染色キットの販売を通して、気軽にチャレンジできるものとして草木染めを広めている。

■染め屋 貴久 KIKYU
https://someyakikyu.com

アパレル業界で30年以上のキャリアをもつ貴村きむら隆久たかひささんによる大阪池田の染色スタジオ。日本古来の天然染料である柿渋や茜、柘榴ざくろ、藍などを使い、和の伝統色に染め上げる。染め替え、染め直しのサービスのほか、草木染め、藍染め、ベンガラ染めの体験教室も行っており、海外からの観光客にも人気。

「草木染めとSDGsの関係性|ものづくりに取り入れるメリット・デメリットと使用例」https://sus.i-goods.co.jp/columns/6163

企業向けに、サステナブルなグッズの制作やアップサイクルなシステムの提案を行うサスプロ(SUSPRO)のオンラインコラムでは、草木染めの良さと難点がわかりやすく解説されている。草木染めのオリジナルアイテムを企業向けに提案・制作した経験を持つ社員へのインタビューも掲載されており、小規模なモノづくりにとどまらない天然染色の未来を示唆している。

加藤 瞳
東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。