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古くなったわけではございません。生まれ変わるチャンスです〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

4年ほど前、私としては奮発して買った特大ツバ広(イマドキは日本でもワイドブリムって言うみたい)のサンハットがある。大好きな帽子ブランドと某人気スタイリストさんのコラボアイテムで、「おしゃれよね〜。いや、しかしハットにこの価格か……」という躊躇に対する購入の最終的な決め手となったのは、「草木染め」であるということ。なんかサステナブルらしい。「よし、何が良いのか見極めてみようではないか」と。しかし当初おしゃれ目的で買ったはずのそのハットは、スタイリストさんが被っている姿と想像していた自分の姿、そして実際に被った姿の、なにかチガウというギャップに加え、そのあまりの使い勝手の良さに、すっかりガーデニング作業の必須アイテムになってしまった。日差しも小雨も、なんならスプリンクラーさえ浴び放題の日々を過ごし、ある日気づくと「これ、なんか色変わってない……?」。表と裏地を比べてみると歴然の差。ショックだ。私はまだ、この高価なハットのおしゃれアイテムとしての真価を発揮させていない。

最近たまたま何かの記事を読んでいたら、「草木染めは、そもそも色あせや色落ちがしやすいもので、その変化も魅力の一つ」、とあった。そういえば、全て天然染料で色をつけているというベースレンジ(Baserange)のサロペットたちも、すごい色落ちするじゃん! 洗濯機で普通に洗っていたら(だって夏物の普段着をいちいちドライクリーニングになんて出してられないですもの)最初と全然違う色になってしまって、どうしたもんかと思っていた。自分でダイロンの染粉でも買って染め直してみようかとも思ったが、服は良くても顔の皮膚に直接触れる帽子はちょっと心配……それにせっかくの草木染めに上書きしてしまってはもったいない? なんて考えていたところ、6年ぶりに日本に一時帰国することになった。ちょうどいいやと調べてみたら、ほら、やっぱり! サステナブルなアップサイクルの取り組みとして、天然染料のみによる染め直しのサービスを行う染め屋さんの情報がいくつも出てくる。「Re:染め」とか、「Re:カラー」、「Re:ダイ」というのが最近の共通語みたいな様子。せっかくなので昔ながらの和の色合いを染め上げている染め屋 貴久 KIKYUさんにお願いしてみようか、それともこの染色ユニット、ワイ(WUY)がおしゃれっぽい? と、楽しくリサーチ。ついでにアメリカでもあるのか調べてみたら、シアトルやペンシルべニアにも染め直しの工房が! シアトルの工房の創設者はキャシー・ハットリさんというから日系の方かしら? さて、どんな色に染め上がるのか。次回、乞うご期待!

Photo courtesy of WUY
Photo courtesy of WUY

「やりたいことを、やりたい時に、やりたいだけ」。そんなことがあっさり成せる暮らしを提案するWUYワイの、「Re: 染め」やオリジナルのプロダクト生産は、全て自然の摂理にそって環境に優しい安全な素材を使用している

今回染め直しに挑戦する3点は、ハットがコットン、サロペットはどちらもローシルク。天然染料での染色は、天然素材ではないと難しいとのこと。この見事にツートンになったハットがどう変わるのか……

■染め屋 貴久 KIKYU
https://someyakikyu.com

アパレル業界で30年以上のキャリアをもつ貴村きむら隆久たかひささんによる大阪池田の染色スタジオ。日本古来の天然染料である柿渋や茜、柘榴ざくろ、藍などを使い、和の伝統色に染め上げる。染め替え、染め直しのサービスのほか、草木染め、藍染め、ベンガラ染めの体験教室も行っており、海外からの観光客にも人気。

■WUY
https://wuy7.comhttps://wuy.stores.jp

染め師の山里歩美さん、章悟さん夫妻による、草木染め染色ユニット。「Re:染め」と呼ぶ衣類の染め直しは、大阪府和泉市が認定する特産・技術ブランド、「いずみ印」に認定されているアップサイクルな取り組み。通常の草木染めとは一線を画す鮮やかで力強い色彩が特徴。ワークショップや自宅でできる染色キットの販売を通して、気軽にチャレンジできるものとして草木染めを広めている。

■Botanical Colors
https://botanicalcolors.com

石油化学由来の合成染料の安全な代替品として天然染料を提供することで繊維業界を変えたいとの思いから、2010年にキャシー・ハットリさんによってシアトルに設立された。お気に入りの服を蘇らせるサステナブルな方法として「Re:カラー」を提案。色あせたり汚れたりした服を、唯一無二のアイテムとして生まれ変わらせる。藍染めのオンラインオーダーを受け付けており、「絞り」など複数のスタイルから選ぶことができる。

■Green Matters Natural Dye Co.
www.greenmattersnaturaldyecompany.com

2015年、ペンシルベニア州ランカスターで設立されたオールナチュラルの染色スタジオ。ニューヨークを中心に、サステナブルに配慮したファッションブランドやデザイナーなどへ植物由来の染色技術を提供するほか、一般消費者向けに月毎のテーマカラーによる染め直しや後染加工のサービスを郵送で受け付けている。

加藤 瞳
東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。