寒くなると体のあちこちで変調が出がち。ホリデー・シーズンを気持ち良く過ごすためにも、気になる悩みは今のうちに解決しておきましょう！シアトル周辺のクリニックや組織で活躍するドクター、ナースプラクティショナーに話を聞きました。
取材・文：ハントシンガー典子
1.フルショットは必要？ インフルエンザ対策
2.今のうちから対策を、アレルギー症状
3.腰回りの痛み、その原因は一体？
4.歯のトラブルは今年のうちに
5.基本をおさらい「アメリカの医療システム」
▶歯科医・三戸登紀子先生が解説する歯のトラブル
秋・冬は熱い料理を食べる機会が増えます。ただ、あまりにも熱過ぎる物を継続して食べると、咽頭がんを招く恐れがあります。どこか染みる部位があれば要注意。熱々の鍋料理と冷たいビールは、寒い夜の定番かもしれませんが、知覚過敏を引き起こしたり、将来的に歯が割れやすくなったりする可能性も。すぐにでも食べたい気持ちを抑え、少し冷ましてから食べるようにしてください。
そして、ハロウィーンからクリスマスにかけては、子どもにとっても大人にとっても、甘い物の誘惑が多いもの。チョコレートやキャンディーなどを食べたら、時間を置かず、すぐに歯磨きをしてください。ちなみにスイーツ1つを一気に食べるのと、1日中だらだらと少しずつ食べ続けるのとでは、後者のほうが虫歯になりやすくなります。特にポテトチップスやせんべいは、口の中で噛むことでふやけて、でんぷん質のかたまりとなり、歯にくっ付いて取れにくくなってしまいます。ただし、酸性のパイナップル、グレープフルーツ、トマト、レモンなどを食べたときは別。強い酸により、歯の表面を覆うエナメル質が軟らかくなって溶けるので、歯が傷つきやすくなっています。歯磨きはすぐにせず、30分～1時間経ってからにしましょう。
適切な口腔ケアで老けた顔も改善！
顔の中心部にある歯や口元には年齢が出ます。人間は、寿司職人とカウンターに座った客の距離感で人の顔を捉え、瞬時に分析すると言われています。そのときに、歯の位置や並び、色で、人の年齢を判断しやすいのです。逆に言うと、歯や口元を若々しく保つことができれば、年齢を重ねてもマイナス5歳の見た目年齢となり得るのです。
老けた印象になる原因には、顔の筋肉の衰えや歯周病で骨の位置が下がり、歯並びが崩れること、コーヒーや紅茶、タバコなどの嗜好習慣から歯が黄ばんでいること、呼吸の乱れから胃酸過多になって口臭を発生させるなど老化が進むこと、などが考えられます。歯科医に相談し、これらを改善する口腔ケアを始めてみましょう。虫歯や歯周病を治すことはもちろん、ホワイトニングの施術を受け、歯を白くブリーチするのも手です。そのうえで必要があれば、クラウンやベニヤで歯を補強すると、見違えるほど若返ることがあります。
また、歯ぎしりは美容の大敵。歯がすり減ると、顔にほうれい線がくっきりと出てしまいます。歯ぎしりは、睡眠中の呼吸や心拍の乱れに原因がある場合が多いので、歯科医に相談し、睡眠中に口元に装着するナイトガードを作成してもらいましょう（必要に応じて、睡眠専門の医師も紹介してもらえます）。夜間でも顔の筋肉がリラックスし、若々しい口元づくりにつながります。
長期的な目で見ればいちばんの選択である歯列矯正はお金も時間もかかりますが、その前にできることはたくさんあります。問題が生じる前に、定期的に歯科検診を受けて予防策を取り、健康と若さを保ちましょう。
三戸登紀子 Tokiko Mito, DDS
日米でライセンスを持つコスモス歯科院長。日頃から全米規模の勉強会に参加して最新歯学を勉強する。地元誌が発表する「トップ・デンティスト」に2013年から毎年選ばれ続けている。細やかなケアが日本人患者に好評。
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