5th アベニューシアターで8月2日まで上演中のミュージカル『グリース (Grease)』のオープニングに行って来た。
有名なミュージカルだけあって、劇場は満員。『グリース』は1970年代にオフ・ブロードウェイで初演され、前評判の悪さと裏腹にフタを開けると大当たり。翌年からブロードウェイに移動し、3000回以上のロングランを果たしている。1978年には、『サタデー・ナイト・フィーバー』で一世を風靡したジョン・トラボルタと人気歌手オリビア・ニュートン・ジョンのコンビで映画化され、日本を含め、世界で大ヒットしたので、現在の中・高年層の人には甘酸っぱい青春の思い出とともによみがえってくる懐かしいミュージカルではないだろうか。
物語は、アメリカの高校生の、夏の恋の行方を描いたもの。遊び仲間の手前、好きな女の子の前で素直に振る舞えず、突っ張ってみせる高校生男子の心理がよく描かれている。歌と踊りと単純なストーリーを楽しむというミュージカルの典型だ。また、こうしたエンターテイメントは脇役が芸達者だとがぜん面白くなるのだが、今回も脇役がいい。サンディーの女友達フレンチーが進路を決めかねて「どうしたらいいのか、神様が決めてくれたらいいのに」と願っていると「ティーン・エンジェル」が登場し、「こうしろ、ああしろ」と歌うシーンでは大爆笑。最後に、「ええっ?!」と驚く意外な結末が待っている。
夏にぴったりの、年齢を問わず楽しめるミュージカルだ。