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フォート・ケーシー州立公園〜ソイソースいち押し!

フォート・ケーシー州立公園
取材・文:フォーリー由香
歴史的建造物が残るフォート・ケーシー州立公園を訪れました。青空の下、キャンプやウォーターアクティビティー、歴史を感じながらのんびり散策など、多彩な楽しみ方ができるスポットです。

フォート・ケーシー州立公園は、ピュージェット湾に浮かぶウィドビー島の中央西部の沿岸に位置する。シアトルから車で北へ2時間半ほどの距離だが、ムキルテオ発クリントン行きのフェリーを利用すれば、1時間ほど短縮できる。

はるか向こうまで一直線に並ぶ兵舎

よく晴れた寒空の日に訪れた。到着すると、目の前には東京ドーム約8個分(999エーカー)の公園が広がり、想像以上の大きさに圧巻だった。公園の中央あたりではその広さを活用し、数名が互いに声を掛け合いながらいくつもの凧を器用に飛ばしていた。小さな子ども連れの家族やカップル、友人同士のグループなど、多くの人が散策を楽しんでいた。公園の利用者は人間だけにとどまらず、周りの様子を気にすることもなく2頭のシカがのんびりと草を食む姿も見られた。

大砲の先に広がるピュージェット湾

現在、州立公園として利用されているフォート・ケーシーだが、もともとはアメリカの「エンディコット・システム(防衛計画)」の一環として、1890年代から1900年代にかけてピュージェット湾入り口を防衛する目的で建てられた沿岸要ようさい塞(外敵の侵入を防ぐための軍事施設)だった。要塞は沿岸の曲線に沿って弧を描くように配置され、大砲や兵舎が当時の面影を色濃く残す。10インチ砲や3インチ砲が点在し、間近で見ることができる。兵舎内は暗く足を踏み入れるのに少し勇気がいるが、奥まで続くたくさんの部屋はまるで迷路のよう。大人でも冒険心がくすぐられ、端から端まで探索したくなる。さらに、高台に立つと、ピュージェット湾が視界一面に広がり、開放感は抜群だ。

芝生に溶け込むように造られたトーチカ。遠目には丘の一部にしか見えない

内陸部の丘の上には、芝生にカモフラージュされた緑色の「トーチカ(英語ではピルボックスと呼ばれる)」があり、その内部に入れる。目の高さにある細い隙間を覗くと遠方が見え、かつての軍事施設の役割を実感する瞬間だった。

また、公園の東側には歴史ある灯台が立っている。中にはギフトショップもあるようだが、冬季間は閉鎖中のため入れなかった。暖かい季節が訪れたら、灯台の見学を兼ねて、ここでしかない眺めを体験しにぜひ足を運んでみてほしい。

Fort Casey Historical State Park
1280 Engle Rd., Coupeville, WA 98239
開園時間:8am~日没
料金:要ディスカバー・パス(年$30、1日$10)
☎︎360-678-4519
https://parks.wa.gov/find-parks/state-parks/fort-casey-historical-state-park