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11月に開幕した大学バスケで、今季目が離せないのはゴンザガ大学の八村塁選手です。母が日本人、父が西アフリカのベナン人の八村選手は 203センチの長身ながら、スピードもある逸材。ジュニア世界選手権の日本代表での活躍で注目を浴び、昨年名門ゴンザガ大学へ入学しました。1年目は試合平均出場時間わずか4.6分の2.6得点だったのですが、先発5人のうち3人が大学を出た今季は主戦力となり、開幕戦ではベンチスタートながらも出場時間18分で豪快なダンクシュートを含む11得点を記録しています。
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学生総数8千人足らずのゴンザガ大学は男女共にバスケ強豪校として知られます。特に男子は1999年にマーク・フュー監督が就任して以来、NCAAトーナメント出場を一度も逃したことが ありません。OBにはNBA選手も多く、一番有名なのはマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズに2年連続で優勝を阻まれた、元ユタ・ジャズのジョン・ストックトン氏。現役選手では今季マイアミ・ヒートへ移籍したケリー・オリニク選手。そしてゴンザガ大学がチーム史上初のNCAAトーナメント決勝まで進んだ昨季、八村選手と同じ1年生ながらも控え選手として活躍し、今年のNBAドラフト全体10位指名を受け、現在ポートランド・トレイルブレイザーズに所属しているザック・コリンズ選手がいます。
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メジャースポーツのプロチームが存在しないスポケーンではゴンザガ大学が圧倒的な人気を集め、全席ほぼ完売状態のために定価でのチケット購入は非常に困難です。幸いにも今季はワシントン大学での試合が予定されており、シアトルで八村選手の勇姿を見ることができます。試合は12月10日(日)の午後5時から。チケットはまだ残っているようですが、コラム執筆時点で対ゴンザガ戦は5試合セット以上のパッケージで しか購入できないようになっています。試合開催日直前に残席があれば、この試合のみの購入も可能になるはずですが、シアトルにもゴンザガ大学のOBは多いので要注意です。
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生観戦が無理なら、テレビ観戦で応援しましょう。2016年に全米優勝したビラノバ大学など、 強豪校との試合はESPNで放映予定。それ以外 はマリナーズの試合を放映しているルート・スポーツでほぼ見られるようです。今季は世代交代で開幕時点での優勝候補には挙げられていないゴンザガ大学ですが、八村選手を始め、これまで試合出場機会が少なかった選手の成長が大いに期待されるシーズンです。「マーチ・マッドネス」と呼ばれる3月からの決勝トーナメントへ向け、目が離せません。
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All Photos by Misa Kanaoka
[スポーツウォッチング]