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ジカ熱感染に揺れる女性アスリート

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ホープ・ソロが再びメディアを賑わせています。ソロは女子サッカー米代表のゴールキーパーで、北京とロンドン五輪で金メダル獲得。昨年のワールドカップでは自身初の金メダルと、2大会連続の最優秀ゴールキーパー賞を受賞しています。ワシントン州リッチランド生まれで、ワシントン大学出身。現在の所属チームはシアトル・レイン。夫は同じくワシントン大学出身で、シーホークスがチーム史上初めてスーパーボウル出場を果たした2005年シーズンの主力選手だったジェラミー・スティーブンス。これだけの肩書きがあれば、シアトル・スポーツ界のゴールデンカップル扱いされてもおかしくないのですが、ソロは2014年に甥に対する暴力沙汰で逮捕され、スティーブンスも現役時代から飲酒運転や暴力沙汰での逮捕歴があり、イメージを落としてしまっています。

そんな彼女が去る9日、リオデジャネイロ五輪出場権をかけた予選大会前日に、スポーツ・イラストレイテッド誌に対し、「今日選択を迫られるなら、私は(リオ五輪に)出場しない」と発言しました。ご存知の通り、現在中南米を中心にジカ熱の感染が拡大しており、妊婦が感染した場合、先天的に頭部が小さい小頭症の子供が生まれる疑いがある点が指摘されています。アメリカではジカ熱に感染した女性2人が流産したという報道も出ています。こうした背景を受け、「私たち夫婦がいつ子供を授かるかは分からないけど、私には健康な子供を生む権利がある」、「子供の健康を犠牲にするリスクを負って国のために出場するか、アスリートとしての夢や目標をあきらめるか。こんな選択を強いられるのは勘弁」と話したソロには共感を覚えます。

昨年のワールドカップを最後に、アビー・ワンバックやクリスティー・ランポーンが米代表から退き、34歳のソロはチームの最年長選手となっています。チームの大半は20代の出産適齢期選手で、中にはアレックス・モーガンや2014年にレインで活躍したシドニー・ルルーなど既婚の選手もいます。妊娠しながらオリンピックに出場したり、五輪開催中に妊娠する選手がどれぐらいいるのかは分からない上、一旦感染しても回復すれば、その後の妊娠にはまったく影響がないのかどうかも分かりませんが、回避可能なリスクは避けたいのは当然。発展途上国での開催だけに、選手の不安も募るはずで、ソロが代弁してくれて助かったと思っている選手はサッカーに限らず、米国内外にもいるでしょう。リオ五輪まで残り5ヵ月あまり。それまでに事態が収拾するか、効果的な予防対策が開発されることを願ってやみません。

[スポーツウォッチング]