パワー全開の怪物トラックが大暴れ!
モンスター・ジャム
取材・文:リー・ジャニス
世界各国をツアーで回るモーター・スポーツ・イベント、「モンスター・ジャム」。3月30日(土)にルーメン・フィールドにてお得意の豪快パフォーマンスで会場を大いに沸かせました。
アメリカらしい破茶滅茶なコンセプトのイベントがあると知り、会場となるルーメン・フィールドへと観戦に向かった。観客席には子どもの姿が多く、ファミリー向けのイベントだということがわかった。好きなトラックのおもちゃを持ち、待機する幼児の耳にはイヤーマフ。爆音から耳を保護するためだろうか。開始時間になると、静かに待ち構えていた11台のトラックが次第にエンジンを轟かせ、フィールド内を駆けめぐる。内臓に響くくらいの爆音だったが、興奮の渦にのまれるうち、気にならなくなる。それからは会場の熱気に大いに浸った。
本イベントは、レース、スキル、フリースタイルの3つの部門でポイントを争う競技形式。初っ端のレースからトラックがひっくり返ったり、扉が飛んでいったりと、見ていて非常に面白かった。それが見慣れた光景なのか、安否確認も兼ねてか、選手の反応があるまで観客側は応援の嵐だ。
各トラックのキャラクー性が高く、個人的にはゾンビを模したトラックが気に入り、グッズが欲しくなってしまったほど。ドライバーたちも個性たっぷりで、画面に映し出される選手紹介とファンサービスで、観客はより「推し」への応援に身が入る。スキル部門で披露した技が決まると大盛り上がり! 失敗しても応援の声が飛び交うところが、このイベントならでは。全員で盛り上げるという醍醐味を感じた。
この日いちばんの歓声をかっさらったのはジム・ケーラー選手のアベンジャーだろう。1997年から、アベンジャーを乗りこなしているからか、披露したテクニックが圧巻だった。観客が特に喜んだのはトラックがひっくり返る寸前でブレイクダンスのような動きで体勢を立て直し、フリースタイル部門の完全勝者となった場面だ。ギリギリの動きをすることが、会場のボルテージ上昇につながることを、ドライバーは理解している。その後どんどんエスカレートしていき、最後まで楽しめた。
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