取材・文:フォーリー由香
モルモン信仰の歴史が息づく街
[ソルトレークシティー(アメリカ・ユタ州)]
[ソルトレークシティー(アメリカ・ユタ州)]
モルモン教会の総本山がたたずみ、信仰と共に発展してきた街。神聖な雰囲気と歴史の重みを感じるソルトレークシティーを訪れました。

「テンプルスクエア」はモルモン教の総本山として知られ、ソルトレークシティー観光には欠かせないスポット。ランドマークの「ソルトレーク神殿」はその敷地内に立つ。神殿内は一般公開はされていないが、精巧な造りを外から眺めるだけでも楽しい。あいにく、訪問時は2026年まで続く大規模な改修工事の真っ只中。神殿をはじめ、敷地内の他の建物の全貌を見ることはできなかったが、完成後の姿が楽しみだ。

ユタ州会議事堂の前には蜂の巣の像。至るところで見かける街のシンボル
次に向かったのは「ユタ州会議事堂」。アメリカの国家歴史登録財にも指定されている美しい建築物だ。堂内へ足を踏み入れると、2階へと続く左右にのびる巨大な階段が目を引いた。吹き抜けが広がり、どの角度からでも1階を見渡せる設計になっている。ヨーロッパの宮殿を思わせるデザインと建築の壮大さに圧倒され、思わず言葉を失った。荘厳なドーム部分は銅が、床や壁、階段には花崗岩や大理石が使われており、重厚感が漂う。格調高く優雅で、開放感あふれる空間に心が高鳴った。1階のショーケースにはさまざまな展示物があった。その中に日本語で書かれた新聞『ユタ日報』を発見。すでに廃刊となっているが、当時の日本人・日系人コミュニティーの存在を物語っていた。
その後は、地元で話題のフライドチキンのチェーン店、レイジング・ケーンズ・チキン・フィンガーズへ。2023年4月にオープンしたこの店は、ほかとは異なりピンク一色。駐車場のラインまでピンク!


ひと際目を引くピンクの店。外に展示されたトラックのナンバープレートは「Posty♡」
この店を手がけたのは、テキサス州出身で現在ソルトレークシティー在住の人気歌手、ポスト・マローン氏。外観同様、ピンクの店内には彼のギターや衣装が展示されていた。訪れた日も混んでいたが、観光スポットとしてしばらく混雑が続きそうだ。
ソルトレークシティーは宗教が根付く土地だからか、ダウンタウンでさえも路上にゴミは少なくきれいな印象を受けた。場所にもよるが、夜でも比較的安全で、出会う人々も皆、親切だった。

ソルトレーク国際空港まで、アラスカ航空、デルタ航空などの直行便で約 2 時間。