シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。
🏋️タンパク質と美ボディ🏃
筋肉を作るためにはタンパク質が重要であることは、さまざまなメディアでも公開されています。重要とは知りつつも、ちゃんと摂れていない人が多いのも事実。美容にとっても大事な栄養素なので、知識を深めて習慣的に摂取するよう心がけましょう。
筋肉のみならず、皮膚、髪、爪、酵素、ホルモン、遺伝子などにも欠かせないタンパク質は9種の必須アミノ酸と11種の非必須アミノ酸で構成されていて、その組み合わせによってそれぞれ異なる役割を果たしています。たとえば、糖質を摂ると分泌されるインスリンに必要なアミノ酸数は51個、筋繊維に関しては1000個以上とされています。必須アミノ酸は体内では生成できないため、食事やサプリからとる必要があります。非必須アミノ酸は体内で生成できますが、加齢と共に生成量が低下することがあります。
タンパク質を含む食材には、肉、魚、卵、大豆などがあります。食材も重要ですが、胃腸での吸収力についても考えましょう。たとえば、タンパク質のサプリとして人気のホエイプロテインは、水に溶けやすいため消化・吸収されやすく、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成を高めます。また、同じ肉でも、ひき肉とステーキとでは消化速度が異なります。筋肉の回復には消化の早いひき肉が効果的です。一方、消化が遅いステーキは胃腸にとどまっている時間が長く、その間、消化に必要なカロリーを消費し続けることになるため、消費カロリーが高くなります。
タンパク質の1日の摂取量は、体重1㎏に対して2gが理想です。体重50㎏の方は100g、70㎏の方は140gを目安に摂取しましょう。糖質はグリコーゲンや脂質として体内に蓄えられますが、タンパク質は蓄えておくことができません。脂質に変わることはありますが、それは無理なダイエットや飢餓状態で起こる体にとっての最終手段です。ただ、摂りすぎたタンパク質が体内に残り、消化不良や便秘などを起こすことがあります。摂取量を増やす際には少しずつ増やすようにしましょう。
筋肉を作るためにタンパク質と同等に大事なのが筋トレです。筋トレを行うことで体がアミノ酸の使い道を判断します。つまり、筋トレの内容がアミノ酸の合成に反映されるのです。たとえば、マラソン選手とアメフト選手は筋肉に与える刺激が違うためアミノ酸の合成も変わり異なった体型を形成しています。スタイルが気になる場合は週2~3回の筋トレと週3~5回の有酸素運動が理想です。
今回のエクササイズのターゲットは肩です。以下の3つのエクササイズで、この夏、自信を持ってノースリーブを着れるように肩を鍛えましょう。
今月のトレーニング
STEP 1 ショルダープレス
8〜10回を3セット
肩の定番エクササイズです。立った状態でダンベルを手に取り、肩の位置に用意します。この際、肘は前に向いているようにしましょう。横にすると肩の関節に負担がかかるので、肩が硬い方は避けた方が良いでしょう。この状態から頭上にダンベルを持ち上げます。肘をしっかり伸ばすことで三頭筋にも刺激が入るので可能な限り伸ばし切りましょう。戻すときはゆっくりと肩にダンベルを載せる感じで行います。ダンベルがない場合はウォーターボトルなどで代用できます。
STEP 2 アップライト・ロウ
8〜10回を3セット
ダンベルを腰辺りから顎の下まで引き上げるエクササイズです。まずは、立った状態でダンベルを太ももの前に構えます。手の平側を太ももに向けた状態になります。この状態から、肘を持ち上げるイメージでダンベルを顎の下まで引き上げます。この際に姿勢が丸まらないように注意しましょう。顎まで引き上げたらゆっくり最初の位置に戻します。
STEP 3 サイドレイズ
10〜15回を3セット
肩の横のエクササイズです。立った状態でダンベルを体側で構えます。この状態から腕を横に開きます。肩の高さまで上げたらゆっくりと所定の位置に戻します。肘は伸ばし切らず若干曲げた状態で行いましょう。負荷を掛けると厳しいと感じられる場合は、素手でも大丈夫です。その際はできるだけゆっくりと行いましょう。
※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。
写真クレジット:Kota Shimada
※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。
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