今回は「跛行(Claudication)」について話したいと思います。跛行と言ってもピンと来ないかもしれませんね。実のところ、私も日本語でこの言葉を知りませんでした。簡単に例を挙げますと、軽いジョギングなどの運動をしている時に、腰や臀部、太もも、足に鈍い痛みや筋肉の硬直などが起きて一時的に動けなくなることです。基本的にはお年寄りに多い症状ですが、近年では若い人にも見られます。
原因は大きくふたつに分けられ、ひとつは神経性の跛行(Neurologic Claudication)、もうひとつは脈管系の跛行(Vascular Claudication)です。
ひとつめの神経性の跛行は、腰の近くの脊髄(Spinal Cord)や神経が圧迫されることで起きて、原因には腰椎椎間板ヘルニアや脊椎管狭窄症(Spinal Stenosis)などがあります。この場合に特徴的なのは、運動を止めてもしばらくは痛みが続き、少し前のめりになったり座るなどして姿勢を変えると症状を和らげることができます。日頃の悪い姿勢や、脊椎のケガなどが主な原因になることが多く、カイロプラクティック治療が予防や症状の改善に効果的です。
ふたつめの脈管系の跛行は、アテローム性動脈硬化が原因で、血管が硬くなったり、または血液の流れが悪くなり血液の供給が不十分になると筋肉が硬直したりして、痛みが生じます。ひとつめの神経性と対照的なのは、この跛行は動きを止めて休んでいると、姿勢とは関係なくすぐに症状が回復します。この原因としては、高血圧、喫煙、ハイコレストロールなど生活習慣や持病と関係があります。
症状が始まる際の特徴として、神経性は腰から始まって徐々に足の方に下がるのに対し、脈管系は足から始まり臀部の方に上がっていく傾向があります。どちらにしても、放っておくと症状が悪化し、痛みが走る頻度や時間が増していき、最悪の場合は手術が必要になることもあります。逆に言うと、症状が軽いうちは早めの対処が可能です。上記のような症状が出たら、チェックアップをお勧めします。
[パク先生カイロプラクティック]