「メガネをかけて仕事をしていると、首と肩がこる。メガネを外して暫くしたら良くなる。何か関連性があるのか?」という質問を患者さんから受けた事があります。最初にお断りしておきますと、私は目のお医者さんではありません。私自身これまでメガネをかけた事がないので、最初はピンとこなかったのですが、詳しくお話を聞いていくうちに関連性が見えてきました。まず彼の場合、メガネをかけると正面は良く見えるけれど、周りが少しぼやけて見えるので、作業中は視線が固定されてしまいがちになるそうです。
目の動きと首の筋肉には関連性があります。とくに作業中に視野が狭くなると、余計に首や肩に負担がかかってしまいます。
以前このコラムで、骨盤のゆがみが原因で左右の足の長さが異なる事について書きました。これを運動連鎖と言います。どこかに異常が生じると、その影響で違う場所にも悪影響が出る可能性がある、というものです。
今回のケースでは、メガネによって限られた視野の中で作業をしたため、その症状が眼球よりも先に首と肩に現れたのだと思われます。眼球を動かしているのも筋肉なので、その筋肉に支障があったり、また左右の筋肉に偏りがあると、運動連鎖として他所に影響が及びます。
眼球の動きで、左右の偏りが分かります。まず自分の「利き目」が左右どちらか確かめてみましょう。利き手・利き足同様に、目にも利き目があります。図1を参考にして、少し遠くにあるドアノブや、壁の時計などを手で囲ってみて下さい。手で囲んだら、片方ずつ目をつぶってみて下さい。目をつぶった時にドアノブが動かなったら、その時見ている方の目が利き目です。反対側の目で見ると、位置がだいぶ変わっているはずです。
次に眼球の筋肉の可動範囲を確かめてみましょう。頭を動かさない状態で、左右の目を大きくゆっくりと右、左、上、下、斜めの方向にめいっぱい動かして下さい。可動範囲いっぱいになったら2、3秒ほどホールドして下さい。おそらく左右で可動範囲と眼球の動きが違うはずです。私の場合、右目利きなのですが、正面を向いた状態でめいっぱい、目を右に動かした時と左に動かした時では明らかに、左目に負担を感じました。おそらく普段利き目を多く使っているので、左目の筋肉が弱体化してしまっているようです。
身体の運動と同様に、目の運動も大切です。近代ではテレビやスマートフォンを見る時間が多く、いつも正面だけを見ているため、上記に書いたような目を全体的に大きく動かす動きをしなくなりました。そのために視野がどんどん狭くなり、何かを見るために頭をもっと動かさないといけなくなり、結果として首と肩の負担が増えたと言えるでしょう。
[パク先生カイロプラクティック]