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インターネット中毒は口腔の健康にも関係

健康な歯でスマイルライフ

日本では北海道医療大学歯学部で博士号を取得。米国でもロマリンダ大学歯学部を卒業し、2005年にPAN-PACIFIC DENTISTRY(パンパシフィック歯科医院)を開業した中出修先生に、アメリカで生活する日本人へ向けて歯や口腔について、説明していただきます。

インターネット中毒は口腔の健康にも関係

近年のインターネットの普及は、特に若い世代を中心に、ソーシャル・ネットワーク、ゲームなど目を見張るものがあります。このコロナ禍において、さらに加速しているのは間違いないところだと思います。一方で、日常生活が破綻するほどインターネットに依存した状態、いわゆるインターネット中毒の増加が社会問題となっています。最近、インターネット中毒が口腔の健康にも関係するという興味深い研究も出てきています。今回は、この話題を中心に書いていきます。

インターネット中毒の影響

インターネット中毒とは、生活や仕事に不可欠ではないこと、たとえば、チャットやゲームなどのために、インターネットを毎日のように長時間にわたって使い続け、現実世界の生活に支障をきたすまでになっている状態、またはその人物を指します。過剰なインターネット利用が日常化する状況は容易に止めることができず、次第に個人的な苦悩を抱え、仕事、社会生活、経済の崩壊へとつながっていきます。

インターネット中毒は、ネガテイブな健康習慣、喫煙、アルコールや薬物の使用、不規則な食生活、過食、運動不足、不眠、うつ、引きこもり、医療への無関心などを引き起こし、健康に多大な悪影響を及ぼすことも少なくありません。具体的には、視力障害(スマホ近視/スマホ老眼)、スマホ巻き肩/スマホ肘、スマホ首、睡眠障害(生活リズムの乱れ、集中力低下)、指の腱鞘炎、指の変形(スマホの荷重を支える骨の変形)などを引き起こす可能性があることが指摘されています。

口腔の健康との関係は?

インターネット中毒と口腔の健康の関係については、これまでいくつかの研究報告(韓国:2018、サウジアラビア:2020)があります。これらの研究から、インターネット中毒の状況では、

(1)睡眠中の歯ぎしりが増える
(2)歯科のチェックアップを怠る
(3)歯磨きの回数が減る
(4)歯肉出血や不健康な歯肉が増える
(5)歯痛の増加
(6)口臭の増加
(7)未治療の虫歯の増加

などの傾向があることがわかってきました。インターネット中毒は、喫煙、アルコールや薬物の使用、不規則な食生活、医療への無関心などを引き起こすわけですから、口腔の健康に悪影響があるのも容易に想像がつきます。

まとめ

インターネットがますます世の中の生活に欠かせなくなっていく現代社会。しかし、何事も「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」です。インターネットにのめり込み過ぎて身を滅ぼすことがないよう、自戒の念も込めて、気を付けたいものですね。

中出 修
福井県出身。1985 年、北海道医療大学歯学部卒業。1993年、同大で博士号を取得後、講師に就任。 2003年、ロマリンダ大学歯学部卒業。歯科医勤務を経て2005年、タコマ近郊に開業。2006年10月にサウスセンターモール近くに移転。 パンパシフィック歯科医院 Panpacific Dentistry 411 Strander Blvd. Suite 207, Tukwila, WA 98188 ☎ 253-243-7748