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更年期の体に優しいダイエット法〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

更年期の体に優しいダイエット

「更年期を境に体重が増えた」、「体脂肪が付きやすく、どんなに運動をして食事に気を付けてもなかなか落ちない」などとお悩みの方も多いことでしょう。年齢を重ねるごとに体重維持や減量が難しくなる理由のひとつに、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。今回は、そんな女性の体の変化を考慮したダイエット法を紹介します。

ホルモンと体重の関係

女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは、筋肉や骨密度の維持、代謝に貢献しています。しかし、女性の体は更年期にさしかかると、このふたつのホルモン分泌が減少し、筋肉や骨細胞も減ってしまいます。その結果、生命の維持を保つ防衛反応として、体脂肪を蓄えようとします。

また、更年期前に分泌されていたテストステロンというホルモンも同時期に減少し始めます。このホルモンは一般的に男性の体で多く作られますが、女性の体でも微量の分泌があり、主に筋肉や骨の発達を促進して代謝向上に貢献します。つまり、これらのホルモンが低下すると、筋肉や骨の機能も下がり、代謝の低下、骨折などのけが、さらには心臓病リスクにもつながります。

コルチゾールというストレスホルモンも更年期の体重変動に大きく関わっています。コルチゾールは、日々のストレスにうまく対応できるよう、肝臓に短期的に貯蔵されているグルコース(糖質)分泌を促し、血糖を上げようとします。ただし、細胞が血中のグルコースを使うためにはすい臓からのインスリンというホルモンが必要です。インスリンのシグナルによってグルコースは細胞内に吸収され、エネルギーとして使われます。しかし、ストレスが長期間続くと、血糖の上昇が継続し、インスリンも分泌され続け、体はオーバードライブの状態に。そうなると細胞がシグナルに反応しなくなり、インスリン抵抗性という症状が現れます。この症状により、体の細胞がうまくグルコースを使ってエネルギーを作れず、体脂肪は増加し、メタボリック症候群や糖尿病のリスクも高くなります。

更年期に合った正しいダイエットとは?

前述の通り、ホルモンバランスの乱れで体重維持が困難になる更年期で大事なのは、無理のない長期的な方法で理想体重を維持することです。急激なダイエットやカロリー制限はかえって体に負担がかかり、より痩せづらい体を作ってしまいます。まずは基本に戻り、食事や生活面で改善できることから始めましょう。

  • ストレス軽減が先決

ストレスは代謝の低下やインスリン抵抗性の原因に。特に冬は風邪などの身体的負担から、体にストレスを与えやすい時期です。柑橘系果物に豊富なビタミンCや、玄米、良質の肉類に多いビタミンB群をしっかり摂取し、ストレスに負けない体を作りましょう。

  • カロリー消費量の把握と調整

年齢と共に筋肉や運動量は低下するため、摂取カロリーの調整をします。管理栄養士などのプロと相談し、自分に必要なカロリーをチェックして食事プランを立てましょう。ただ極端にカロリーを減らすのは禁物。栄養失調を防ぐためには女性で最低1日1,000カロリーが必要です。

  • 良質な油を取り入れる

更年期のエストロゲン減少は、血中コレステロールに悪影響を与え、心臓疾患リスクが上がります。植物性油や抗炎症効果のある魚介類からの脂を積極的に取り、善玉コレステロール値の向上と心臓病予防を目指しましょう。また、消化に時間のかかる油は満腹感が持続するため、食べ過ぎ防止にもおすすめ。ヤシ科の植物に豊富な中鎖脂肪酸のみで作られるMCTオイルは、腸内菌によるエネルギー代謝向上にも効果的です。

  • カルシウムで丈夫な骨作り

強い骨でアクティブな毎日が送れるよう、カルシウムの摂取を意識しましょう。魚や乳製品、豆腐、ほうれん草などに豊富。目標は1日1,200ミリグラムです。ビタミンD3を一緒に摂取することで、腸からのカルシウム吸収率がぐっと上がります。

  • たんぱく質摂取後に運動を

食物の消化・吸収でもカロリーは消費され、特にたんぱく質は3大栄養素の中で最も消化カロリーを必要とします。毎食、良質なたんぱく質を積極的に取り入れつつ、さらに運動もすれば、カロリー消費を促し、筋肉増量、体重維持が期待できます。

イベント続きの年末年始で増えた体重をリセットするためにも、更年期のホルモンバランスを理解し、その変化に寄り添ったダイエット・プランを、年明けから実行してみてはいかがでしょうか。


バリット 左由利
佐賀県出身。19歳の時に留学のため渡米。2015年に自然医療で知られるワシントン州のバスティア大学で栄養学を学んだ後、アイオワ州立大学での管理栄養士研修を経て米国管理栄養士の資格を取得。現在、フォーティー・ラブ・ニュートリションを個人で設立し、栄養カウンセリング、ワークショップ、ホルモン検査を通して30代以降の女性の美容、栄養管理、スローエイジング、ホルモンバランスの調整、デトックスをサポートする。 フォーティー・ラブ・ニュートリション ☎️206-234-4246、info@fortylovenutrition.com www.fortylovenutrition.com