今回は慢性的な腰痛によく効く運動を紹介したいと思います。
腰痛には急性と慢性の2種類があります。急性の場合は、腰をひねったとか、何か重いものを持ち上げたとか、何かしらのトラウマやエピソードがあると思います。ですが、慢性の場合は正確にいつ頃からなのか、どうして痛くなったのか、わかりづらいものがあります。
ちなみに、慢性の腰痛だと診断される要素として、3カ月以上持続している痛み、という項目がありますが、実際に来院した患者さんのヒストリーを聞くと、半年から数年、または20、30年前から痛かったという方もいます。このような場合、数回の治療でも改善が見込まれる場合がありますが、やはり弱体化した腰や骨盤、時には隣接している背中や股関節、何よりも体幹の強化が必要になります。
医療のケーススタディーで、慢性の腰痛持ちの患者さんを対象にいろんな治療法と運動法の結果を確認したものがあります。治療と共に体幹運動を行った患者さんの効果がいちばん高く、中でもエクササイズボールを使用して体幹と身体を伸長(Extend)させるものが最も効果的だとされています。エクササイズボールはラバー製の大きなボールで、フィットネスボールやヨガボールとも呼ばれ、空気を入れて膨らませます。スポーツ用品店はもちろん、最近ではターゲットやウォルマートなど大型スーパーマーケットでも売っていて、10ドル前後で買えます。
まず最初に行いたいのは、このボールに座ることです。オフィスなどでも椅子代わりに、このボールに座っているのをよく見かけます。ボールが弾むので、知らず知らずのうちにバランスを保つことができます。椅子のように姿勢を崩して座ると転んでしまうため姿勢も良くなり、結果、腰痛にも効きます。慣れてきたら、姿勢を正して、骨盤を前後左右、または八の字に動かしてみましょう。
次に、ボールを利用しブリッジ(Bridge)の運動をします。これは仰向けになり背中が床についたまま両膝を立てて、骨盤を持ち上げる運動です。要領は床でやるのと同じですが、背中の下(肩甲骨の間)辺りにボールが来るようにし、全身でバランスを取ります。ボールを使うことで、体幹の運動を平行して行えます。
最後にシーソー(See-Saw)の運動です。今度はお腹の下にボールが来るように置いて、腕立て伏せ(Push Up)の体勢を取ります。この状態でバランスを取りながら、片足ずつ交互に上げます。運動する場所は安全で広いスペースを確保してください。やり方がよくわからない場合、以前けがをした場合は、必ず医師に相談してからにしましょう。