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運動連鎖とその影響

今回は、身体の運動連鎖(Kinetic Chain)とその影響について話したいと思います。

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図1

図1を見て下さい。頭から足まで、全身をいくつかの輪で繋いだチェーンとして考えるのが運動連鎖のコンセプトです。痛みの原因を探る上で大変役に立つ時があります。例えば、身体の一部分に痛みがあった場合、その部分に直接原因がある場合と、他のチェーンの影響で間接的にそこに痛みが生じる場合があると言うことです。
分かりやすいように例をあげましょう。ある患者さんが腰の痛みで来院されました。その患者さんの腰はレントゲン上では特に問題はなく、過去にケガをした事もありません。しかも、この患者さんは運動が好きで、よくジョギングなどをされるそうです。
最初は腰の治療や強化運動などをしましたが、あまり効果がありません。そこで、運動連鎖の可能性を考え、膝や足首の状態や、運動している時の環境や状況などを聞いてみました。その結果、彼は左の足首を痛めた事があり、今は痛みはないものの、その時の影響でジョギングしている時のフォームが良くなかったのです。ジョギングのシューズを見せてもらったところ、明らかに左右で底の減り方が違っていました。

図2
図2

左足首の関節が右よりもかたく、関節にゆがみや癒着があったので、その日からは足の治療をしました。そして数週間後、足の治療とともに腰の痛みも取れたとのことでした。
直接足首が痛くなる事ももちろんありますが、このように、原因となる部分とは違う膝や、腰、または股関節などに最初に痛みが起こる場合があります。
他にも色々な ケースが存在しますが、今回は年齢に関わらず最も頻繁にみられるケースを紹介したいと思います。骨盤のゆがみから生じる左右の足の長さの違いがそうです(図3)。

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図のように、骨盤が前後または左右にゆがんでしまうと、股関節や膝の関節の角度に悪影響を与え、左右で足の長さがだいぶ違ってしまいます。医学的に、左右で1㎝以上の差がある場合は足の義肢装具(Orthotics) が必要だと言われています。それくらい足の長さの違いから生じるバランス能力の低下や、関節や筋肉にかかるストレスが大きいのです。バランスのとれた歩き方や立ち方は正しい姿勢を保つためにもとても大切です。
次回は足の長さの違いを簡単に見分ける方法を紹介したいと思います。

[パク先生カイロプラクティック]

朴俊秀 (パク・ジュンス)
韓国(ソウル)生まれ。5才から中学卒業まで日本で育ち、高校からはアメリカで過ごす。 Southern California University of Health SciencesでDoctor of Chiropracticを専攻、VA Greater Los Angeles Health-care Center、VA Sepulveda Ambulatory Hospital 等の総合病院で、Professional Health Trainingを取得。 アクアセラピー(水中リハビリエキササイズ)のインストラクター等、リハビリの経験も多数。 Best Care Chiropractic 32020 1st Ave. S., Suite 114 Federal Way, WA 98003 ☎ 253-838-2744