コミュニティー・カレッジへの留学で
本当にやりたいことが見つかった!
エドモンズ・コミュニティー・カレッジ生
中田正紀さん(大阪府茨木市出身)
■将来のビジョンが全くなかった浪人時代
留学という選択肢を最初に提示してくれたのは父でした。高校2年生の時、「もし、将来やりたいことが特に決まっていないなら、留学して英語だけでも身に付けたら」と、父から言われたんです。その頃の自分は臆病で引っ込み思案なところがあり、ひとりで海外なんて、と諦めていました。
高校3年生の夏、周りのみんなが受験勉強に専念し始めた頃に、親友が大きな決断をしました。それは、アメリカ留学。英語が特別できるわけではありません。でも決意は固く、翌年にはアメリカへと飛び立っていきました。一方、自分は大学受験に失敗し、浪人することに。SNSを通して見る親友はとても楽しんで勉強し、ぐんぐん成長している。英語も流暢に話せるようになっていました。正直、とてもうらやましい気持ちでいっぱいでした。そんな時、祖母と話をする機会がありました。将来何がしたいのか、全くビジョンがなかった自分を、祖母は決してあきれることなく、むしろ心配し、見守っていてくれました。留学中の親友の話を祖母とした際には、「お金なら、私の生活費を削ってでも何とかしたる」と言ってくれて。自分はその提案にすがりました。
■留学先でのバイト経験が自分を変えた
学校選びは、留学エージェント4社ほど回ったところで、安くてサービスの充実していた1社にお願いしました。アドバイザーの方がエドモンズ・コミュニティー・カレッジ出身で、詳しく話を聞けたこともあり、ここに通うことを決めました。ワシントン州のほとんどのコミュニティー・カレッジはクオーター制を採用していて、単位が短期間で多く取りやすいこと、治安が良く自然も豊かで、自分の専攻の生物学には良い環境ということ、食文化に興味がある自分にとって、カレッジ・ファームで農業体験ができることも大きな決め手になりました。
留学生活は毎日が新しい発見だらけ。放課後は図書館の自習室を借りて夜9時まで勉強したり、週末も学校の図書館へ通って課題や予習をこなしたりと、1年ほどは新しい環境に慣れることと授業内容を理解するのに十分な英語力を培うことに必死でした。わからない単語があればその場で人に聞いたり、アプリを使ってメモをし、声に出して読むようにしたりしていました。周りからはよく「ひとり言ばかりでうるさい」と言われていました(笑)。英語での生活にも慣れ、2年目に入った頃、学校でバイト募集があると知り、あまり自信はなかったのですが応募してみました。以前なら、「自分の英語は完璧じゃないから」などと言い訳して、きっと応募していなかったと思います。しかし、最初の1年で何事も積極的に、そして自分から1歩踏み出さなければ何も始まらないということを学び、高校生までの自分とは違う新しい気持ちが芽生えてきていました。
晴れてキャンパス内のCSEL(Center for Student Engagement and Leadership)というところで働けることになり、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーの取得など煩雑な手続きも、丁寧なサポートを受けられました。初めて使うビジネス英語や丁寧な会話の仕方、ビジネスメールの書き方など、バイトを始めなければ知り得なかったことがたくさん。多くの人とも知り合えました。初めの半年間はイベントの広報を担当していましたが、現在の仕事内容は、キャンパス内でのイベントの企画・主催です。予算内で資金をやり繰りし、校内の各部署へイベント参加をお願いしたり、外部の人たちを雇ってイベントを盛り上げたりと、人との関わりなくしては成り立ちません。英語を使う機会がバイトを始める前と比べて圧倒的に増えていきました。会議のための企画書やプレゼンの用意、イベント後の企画の練り直しなど、全て英語。タイムマネジメントやリーダーシップのスキルも身に付きました。多様性あふれる職場で、同僚であり、友だちでもある人たちと出会え、とても充実した学校生活を送っています。
■将来の夢に向かって走り続けたい
CSELのバイトはキャンパス内ということもあり、働きたい時間に働ける柔軟な職場。実労働時間を2週間ごとに申請するシステムなので、勉強と仕事の両立がしやすいと思います。CSELだけではなく、ISS(International Student Services)という部署でもバイトをさせてもらっていますが、土日は休みなので勉強する時間は確保できています。どちらも、テスト期間やクオーター間は申請をすれば休めるので助かっています。
現在の目標は、日本の4年制国公立大学へ編入し、応用生物学を専攻すること。将来は海洋生物学か生物生産学を学び、食に関係する仕事に就きたいと考えています。実現させたい将来の夢は2つあり、ワイン学(Viticulture Enology Viticulture & Enology)という、ブドウの栽培からワイン醸造までを扱う学問を追求し、ワインを仕事にすること、またオーシャン・サイエンスを学び、海産物を継続的に供給できるように海の環境保護に携わる仕事をすることです。
アメリカに来てから、さまざまな目標を持っている人と出会い、新しい刺激をたくさん受けて、自分もいろいろな目標を持てるようになりました。ゴールをもっと明確にして夢を実現できるように、目の前のことをひとつひとつ確実に成し遂げていこうと思います。目標へ向かって突き進み、駆け上がっていきたいです。