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自分を追い込まないで! リモート学習を楽にする心の習慣

自分を追い込まないで!
リモート学習を楽にする心の習慣

終わりの見えないコロナ禍にあり、不安やストレス、恐怖などを感じるのは当然の反応。ただ、それが慢性化すると体や心の負担となり、体調を崩しやすくなる場合も。そんな苦しい状況に追い込まれないようにするためには、どうしたら良いでしょうか? エドモンズ・カレッジでカウンセラーを務める武田聖子(たけださとこ)さんに、いくつかの状況と対処法を取り上げて説明してもらいます。

オンライン授業についていけずストレスばかりの毎日です」

自分の気持ちをありのまま受け止め、自分に優しく接して

コロナ禍の大きな変化のひとつに、オンライン授業への移行が挙げられます。オンラインでは「先生やクラスメートとの距離を感じる」「質問がしづらい」「勉強に集中できない」と悩む学生の声をよく聞きます。オンライン授業は自分に合っていないと感じる学生にとって大変なストレスとなり、孤独、やる気の喪失を感じる傾向にあります。また、英語が母国語でない場合、オンラインでのコミュニケーションは容易ではないかもしれません。ちょっとした質問でも、メールとなると時間も手間もかかります。なかなかスムーズにいかずイライラしたり、自信をなくしたりすることもあるでしょう。

まず、こういった自分の状態を見つめ、思いやりを持って受け入れてみてください。この大きな変化の中でいろいろな感情が出てくるのは当たり前のこと。それを無視したり押し退けたりしても、感情が消えるわけではありません。「自分は今、イライラしている」と、自分の気持ちをありのまま認めてあげましょう。そして、「この状況の中、イライラするよね」などと、自分に優しい声をかけてください。

自分に優しく接するというのは、意外と難しいものです。思うようにできない場合は、「もし友だちだったら、自分の大切な人だったら、自分はどう接するだろうか?」と考えてみてください。また、自分の中に「幼い自分」がいると想像し、その幼い自分に優しく接するとしたら、と想像してみるのも良いかもしれません。

「なかなか人と会えず孤独に押しつぶされそうです」

自分を応援してくれる「サポート・システム」作りを

自粛生活を強いられていても、友人や離れて暮らす家族と電話、ビデオ通話、チャットなどのアプリで今は簡単につながることができます。人と話すことで気分がスッキリしたり、笑顔が出たりすることもあるでしょう。あなたを精神的、実用的に支えてくれる人たちや場所のネットワークのことを、サポート・システムと呼びます。このサポート・システムが強い人ほど、ストレスを克服しやすいと言われています。自分のサポート・システムを強化することは、コロナ禍が続く中のストレス対策となるでしょう。

では具体的にどうしたら良いのでしょうか? 先ほどのオンライン授業の状況を見てみましょう。先生やクラスメートとのつながりを感じられないと、自分がその輪の中に入れない気がして、孤独にさいなまれ、勉強にも興味が湧かずになかなか集中できません。ここでのサポート・システムとなり得るのは、先生やクラスメートです。学生によっては学期が始まる前に先生に自己紹介を兼ねたメールを出して先生との距離を近くしたり、クラスメートにスタディー・グループを作ろうと声をかけたり、先生のオフィス・アワーに頻繁に通って質問したりしているようです。先生やクラスメートとのつながりを活発に保つことで、自分もクラスの一員と感じられ、質問もしやすくなり、授業に集中できます。ひとりで実行するのは難しいという人は、学校のラーニングセンターなど、学生をサポートする場所を利用するのも手です。コミュニティーでサポート・グループの集まりに参加してみるのも良いでしょう。

留学生の場合、留学を続けるかどうかと悩む人もいるかもしれません。また、進路やキャリアに関して不安を抱えている人も多いでしょう。留学生アドバイザーやスクール・カウンセラーにぜひ相談してみてください。学生の利用は無料。あなたのサポート・システムのひとつとなり、大いに勇気付けられるはずです。

「ニューノーマルの生活に疲れを感じています」

自分を大切にする習慣を取り入れて

コロナ禍で習慣が変わり、生活の乱れを感じている人も少なくないでしょう。勉強する環境も、生活する環境も、全てが同じ家の中にあり、それぞれの境界線が引き難くなっています。まずは、栄養のある食事、十分な睡眠、適度な運動を大切に規則正しい生活を。毎日、同じ時間に寝起きすることから始めても良いかもしれません。

そして、自分が楽しめることや、リラックスできることを毎日少しでも良いので、生活に取り込んでみましょう。「そんな時間はない」という人は、自分で自分をハグしても効果あり。肌に触れるという行為は私たちを落ち着かせてくれるホルモンが放出され、安心感を与えるという研究結果も出ています。

武田聖子■2003年にエドモンズ・カレッジに留学。大学、大学院を経て、ワシントン州認定メンタルヘルス・カウンセラー免許を取得。現在、エドモンズ・カレッジでカウンセラーとして学生のサポートをしている。