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米国市民の配偶者として帰化申請を行う場合のルール〜知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) 五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

米国市民の配偶者として
帰化申請を行う場合のルール

アメリカ市民の配偶者であるグリーンカード保持者は、一定の要件を満たすことで、通常より短い3年の居住期間で帰化申請を行うことができます。今回は、その基本的な要件と、I-751申請中の場合や申請中の海外渡航について確認します。

基本的な要件

グリーンカード保持者がアメリカ市民の配偶者として帰化申請をするための基本的な要件は以下の通りです。

1.申請者が18歳以上であること

2.申請者がグリーンカード保持者であること

3.申請者がグリーンカード保持者として申請前の3年間、継続してアメリカに居住していること

4.申請者が申請前の3年間、アメリカ市民である配偶者と婚姻関係にあり、同居していること

5.申請者が移民局の管轄区域に3カ月以上居住していること

6.申請者が申請前の3年間のうち、合計18カ月以上、実際にアメリカに滞在していること

7.申請者が基本的な英語の読み・書き・会話ができ、アメリカの歴史と公民試験に合格すること(免除対象者を除く)

8.申請者が善良な人格(Good Moral Character)を備えていること

9.アメリカ憲法を支持し、アメリカに忠誠を誓う意思があること

グリーンカード保持者が帰化申請をする場合、通常はグリーンカード保持者として最低5年間、アメリカに居住していることが条件となります。一方、アメリカ市民の配偶者として申請する場合は、その期間は最低3年間となります。

なお、アメリカ市民の配偶者として帰化申請をするために、結婚を通じてグリーンカードを取得している必要はありません。例えば、雇用を通じてグリーンカードを取得した場合でも、アメリカ市民と3年間婚姻関係にあり、同居していれば、3年の継続居住(Continuous Residence)期間を満たした時点で申請することができます。

ただし、申請を提出する直前の3年間を通して、配偶者がアメリカ市民でなければなりません。したがって、たとえ結婚して3年経っていたとしても、結婚当時はグリーンカード保持者だった配偶者が結婚から2年後にアメリカ市民になった場合、「配偶者が申請前の3年間すべてにおいてアメリカ市民である」という要件を満たしていないことになります。この場合、帰化申請をする本人が永住者として5年以上経過していれば、アメリカ市民の配偶者としての3年ルールではなく、通常の5年ルールによる帰化申請の資格を満たす可能性があるため、検討するとよいでしょう。

アメリカ市民の配偶者として帰化申請を行う場合は、グリーンカード保持者としての継続居住期間が3年に達する90日前から、その他の帰化申請要件をすべて満たしていることを条件に帰化申請書を提出することができます。

I-751共同申請中の帰化申請

現在、I-751共同申請(結婚に基づく2年間有効の条件付きグリーンカードの条件を解除する申請)の審査が終わるのを待ってから帰化申請をすることを考えている方も多いと思います。しかし、I-751共同申請中であっても、帰化申請の資格要件を満たしていれば帰化申請を行うことができます。

ただし、法律上、条件つきグリーンカード保持者のまま帰化することはできません。帰化が承認されるためには、移民局がI-751共同申請を帰化申請と同時またはそれ以前に承認する必要があります。多くの場合、移民局はI-751共同申請と帰化申請のインタビューを同日に実施します。まずI-751共同申請を審査し、その後、英語・公民試験や帰化資格の確認を含む帰化申請の面接が行われます。また、I-751共同申請がまだ承認されていない段階で帰化申請の面接が先に予定されることもあります。その場合は、I-751の承認後に帰化申請の最終判断が行われます。

帰化申請中の海外旅行とアメリカ以外の国への移住

申請提出後も、帰化するまで継続してアメリカに居住していることが条件となっています。ただし、申請期間中の短期間の海外旅行が直ちに問題になるわけではありません。

一方、帰化する前にアメリカ以外の国へ移住して生活を始めると、アメリカでの継続居住の要件を満たさなくなる可能性があり、帰化申請が却下されることがあります。また、移民局がアメリカでの居住を放棄したと判断した場合、グリーンカードの維持にも影響が及ぶ可能性があるため、注意が必要です。

帰化申請料金の引き上げの可能性

2026年7月現在、国土安全保障省(DHS)は帰化申請料金を大幅に引き上げる案を発表しています。

この案によると、帰化申請(Form N-400)のオンライン申請料金は現行の710ドルから1,280ドルへ、書面・郵送による申請料金は現行の760ドルから1,330ドルへ引き上げられます。また、低所得世帯などに適用されている申請料金の減額制度や費用免除制度についても、廃止が提案されています。なお、現時点では提案段階であり、正式な決定ではありません。

五十畑 諭
神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 カンザス州およびワシントン州弁護士協会会員、米国移民法弁護士協会会員。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118