Home 学校・教養 機械翻訳達人への道 第35回 イースター(復活...

第35回 イースター(復活祭)〜技あり! 機械翻訳達人への道

機械翻訳の精度は飛躍的に向上。でも、よく読むと「あれれ?」な部分も。ちょっとしたコツで見違えるほど自然な日本語に直せる技を紹介します。

 

第35回 イースター(復活祭)


【今回の例文】

What is Easter?

Easter is a Christian holiday celebrating the resurrection of Jesus Christ. According to Christian history, Jesus was crucified on a Friday (Good Friday) and rose again three days later on Easter Sunday.Easter marks the culmination of the Passion of Jesus, occurring after 40 days of Lent where Christians fast, pray and undertake acts of penance. Easter is considered the holiest day of the year. (出典:Twinkle)

【機械翻訳】

イースターとは何ですか?

イースターはイエス・キリストの復活を祝うキリスト教の祝日です。キリスト教の歴史によれば、イエスは金曜日(聖金曜日)に十字架につけられ、3日後の復活祭の日曜日に復活しました。イースターは、キリスト教徒が断食、祈り、悔い改めの行為を行う40日間の四旬節の後に起こる、イエスの受難の最高潮の日です。イースターは1年で最も神聖な日と考えられています。 (Google翻訳)

⬇︎

【修正後】

イースターとは

イースター(復活祭)は、キリスト教徒がイエス・キリストの復活を祝う日です。キリスト教の歴史によれば、イエスが十字架にはりつけにされたのが金曜日(聖金曜日と呼ばれる)で、その3日後の日曜日に復活しました。それがイースター・サンデー(復活の日曜日)です。イースターは、キリスト教徒が断食し、祈り、懺悔を行う40日間の四旬節後に当たり、イエスの受難が頂点に達した日とされます。そのため、イースターは1年で最も神聖な日と考えられています。


3月31日(日)は、クリスマスに並んで重要なキリスト教の祭日、イースターです。毎年、この日を迎えると春の訪れを実感します。

今回のポイント

① 日本人はイースターを知っている?
イースターと聞いても、意味はよくわからない、という日本人は多いかもしれません。初出時だけ「復活祭」と補足すると親切ですね。

冠詞に注目
原文は a Fridayとなっています。冠詞が付くことで、キリストが磔刑されたのが最近の金曜日ではなく、「大昔のとある金曜日」だと理解できます。日本語でそのニュアンスを出すのは難しいのですが、少なくとも意味を正しく把握したうえで訳出しましょう。

③ イエスの受難の最高潮?
culminationは、最高潮、全盛、絶頂などの意。だとしても、「受難の最高潮」では違和感があります。修正訳では、イエスの受難(犠牲の愛)が「頂点に達した日」としました。

まとめ
アメリカなど、キリスト教文化が根付く国や地域ではなじみの深いイースター。エッグ・ハントも、子どもたちには楽しみのひとつですね。

フリーランス翻訳家・通訳。外務省派遣員として、92年から95年まで在シアトル日本国総領事館に勤務。日本へ帰国後は、政党本部や米国大使館で外交政策の調査やスピーチ原稿の執筆を担当。キヤノン元社長の個人秘書、国連大学のプログラム・アシスタントなどを経て、フリーに転身。2014年からシアトルへ戻り、一人娘を育てながら、 ITや文芸、エンタメ系を始めとする幅広い分野の翻訳を手がける。主な共訳書は、金持ち父さんのアドバイザーシリーズ『資産はタックスフリーで作る』など。ワシントン州のほか、マサチューセッツ、ジョージア、ニューヨーク、インディアナ、フロリダにも居住経験があり、米国社会に精通。趣味はテニス、スキー、映画鑑賞、読書、料理。