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開校50周年を迎えたシアトル日本語補習学校 生徒会会長のスピーチ

現在もオンライン授業を継続しているシアトル日本語補習学校(以下補習学校)。昨年12月19日には開校50周年記念式典がオンライン開催され、在シアトル日本国総領事館の稲垣久生総領事が祝辞を述べるなど貴重な節目となりました。高等学部2年の生徒会会長・竹澤さんが生徒代表として挨拶。スピーチの一部を抜粋、紹介します。

生徒会会長の竹澤世奈さん

補習学校は週1日ながらも、アメリカにおいて日本語で学習する機会を与えてくれます。このような環境が50年間引き継がれてきたことに感謝します。アメリカで生まれた私にとって、幼稚園部から通う補習学校は日本語や文化に触れることのできる貴重な場所でした。幼小部の運動会、中高部のスポーツ大会、休み時間に設けられる学年交流会など、卒業生の先輩方や先生方が素晴らしいアイデアを持ち寄り、共に取り組んでこられたおかげで、今も充実した課外活動として私たちが楽しむことができています。

コロナ禍で中止となったスポーツ大会の代わりとして、プレゼンテーション大会という新たな企画を、昨年の生徒会の方々が立ち上げました。毎年の楽しみであるスポーツ大会が中止となり、残念な思いをした私たちでしたが、先輩方の前向きな取り組みにより、再びクラスメートとの絆やつながりを強めることができました。

私自身、かつては補習学校の高等学部へ進学するかを迷っていた時期がありました。しかし、「日本語で学ぶ」ことの面白さについて授業を通して知り、先生方に高校や大学の進学の相談にも乗っていただいたことがモチベーションとなり、高等学部でも継続して日本語で学び続けることができました。

現在はオンライン授業が行われている補習学校ですが、画面を通してクラスメートの素顔や様子に触れることができます。生徒会では、オンラインでできること、また対面式に戻れた際にも対応できるような活動を企画・運営しています。放課後、授業や宿題に関して質問し、生徒間で交流も持てるように設立された「質問会」、校内の一体感や連帯感を促すように計画された補習学校オリジナル・グッズ企画、そして昨年に立ち上げられたプレゼンテーション大会などです。オンライン授業で活動が制限されているのが現状ですが、引き続き全力で取り組んでいきます。

この50周年をひとつの大切な節目とし、私たちは今後も新型コロナウイルスの影響や環境の変化に負けず、歴史を引き継いで、ここシアトル日本語補習学校で勉学に励んでいきたいと思います。

シアトル日本語補習学校沿革

日本の文部科学省学習指導要領に基づいて日本語で学習指導を行う補習学校。シアトル日本商工会(春秋会)が運営母体となり児童生徒52名、教員4名で発足し、2021年には開校50周年を迎えた。2022年には、桜の苗木植樹も行われる予定で、昨年12月13日に、植樹鍬入れ式がシアトル日本商工会(春秋会)オフィスで行われた。

植樹鍬入れ式の様子左から柏 隆たかし校長稲垣久生総領事シアトル日本商工会春秋会の廣瀬 守会長
1971年 シアトルの日系メソジスト教会施設を借用してシアトル日本人学校を開校
1977年 高等学部を設置
1979年 生徒会、PTAが発足
1980年 シアトル別院仏教会施設で分校開校
1981年 シアトル日本語補習学校に改名。ベルビューのインター・レイク高校、レイク・ヒルズ小学校など借用校舎移転
2002年 小学部社会科副読本『わたしたちのシアトル・ワシントン州』を発刊
2008年 ベルビューのサマミッシュ高校に借用校舎移転。現在に至る

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