大統領選一色の今日この頃。「今年の米国大統領選の焦点」と「大統領選をテーマにした映画評」を、国際政治学者の村田晃嗣同志社大学教授に寄稿いただきました。また、今年の民主・共和両党の予備選候補者のプロフィールを紹介。大統領選の仕組みについても、わかりやすく解説してみました。
企画・取材・文:長岡里沙、編集部 協力:村田晃嗣
- 2016アメリカ合衆国大統領選の予備選候補者(6月5日現在)
- 2016年アメリカ合衆国大統領選の焦点
- アメリカ大統領選挙の仕組み
- アメリカ合衆国大統領選をテーマにした映画
2016アメリカ合衆国大統領選の予備選候補者 (6月5日現在)
ヒラリー・ローダム・クリントン
Hillary Rodham Clinton
政党:民主党
1947年、イリノイ州シカゴ生まれ。
アメリカ合衆国国務長官、上院議員を歴任。第42代アメリカ合衆国大統領ビル・クリントンの妻。
1993年から2001年までアメリカ合衆国のファーストレディとして医療保険改革に取り組んだ。もし当選すれば、アメリカ史上初の女性大統領となる。
政策:雇用創出とインフラ整備、最低賃金の引き上げ、格差是正、男女の賃金格差の解消、処方薬の価格引き下げを含む医療制度改革の拡充等。
クリントン候補が大統領になった場合、UFOの政府極秘ファイルを公開すると約束しています。極秘ファイルが公開されたら世紀の大ニュースになること間違いなしでしょう。全世界の人々の好奇心のためにも、私はクリントン候補に大統領になって欲しい!(M.O.)
バーナード・バーニー・サンダース
Bernard Bernie Sanders
政党:民主党
1941年、ニューヨーク州生まれ。バーモント州選出の無所属の上院議員。2015年から民主党に所属。「民主社会主義者」と自認する。若者の支持が特に多い。
政策:最低時給を15ドルに、医療保障・社会保障制度拡大、公立大学の授業料無償化、人種間の平等の実現と公民権の擁護、富裕層への課税、労働組合支援、男女の賃金平等化、子供の貧困と若年者失業の削減等。
サンダース候補の特徴といえば社会主義で富の平等化に積極的ということと、若者の支持率が圧倒的に高いことだ。今年から投票可能年齢が引き下げられた日本でも、これからこうした候補者が出てくるかもしれない。そういう点でも、成り行きが気になる。(C.I.)
ドナルド・トランプ
Donald Trump
政党:共和党
1946年、ニューヨーク州生まれ。アメリカの著名な実業家であり不動産王。ニューヨーク不動産会社トランプ・オーガナイゼーションの会長兼社長、カジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツの設立者。現在、共和党大統領候補としての指名獲得が事実上確定している。過激な発言が多く注目を集めている。
政策:保護貿易推進、不法移民の抑止、国境管理の強化、シリアからの撤退、社会保障制度の現状維持、インフラ・国防関連の歳出増額、財政黒字の実現等。
なにかとお騒がせのトランプ候補。過激な発言や髪型などで面白おかしく取り上げられることが多いが、日本に対する差別的発言もしているうえ、米軍の駐留費用を日本が100%負担するべきなど日本人の生活に大きく影響を及ぼしかねない彼の政策に、人事ではなく注意して耳を傾けなければいけない。(D.N.)
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