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ホリスティックな健康づくり

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自然療法の名門校・バスティア大学キャンパス訪問

人が本来持っている自然治癒の力を尊重し、病気の奥にある根本の原因にフォーカスして、植物療法や理学療法、栄養療法、カウンセリングなどの伝統的な手法を用いた治療や予防医学を、自然療法(ナチュロパシックメディスン)と呼びます。シアトル郊外のケンモア市には、この自然療法に基づいた医学を本格的に学べる学校として、世界的に有名なバスティア大学があります。シアトル市内にあるバスティアクリニック「Bastyr Center for Natural Health」からは、在学生が利用できるシャトルバスが運行しており、今回は学校見学目的のビジターとして利用させてもらいました。 シャトルバスに乗ること1時間弱、ワシントン湖に面した森の中を走り抜けていくと、セント・エドワード州立公園の隣の緑豊かな木々に囲まれたキャンパスにたどり着きます。都会の喧騒からかけ離れたこの土地、天気が良いときにキャンパスを散歩するだけでも心がスッキリとしそう……。自然療法を学ぶには最適の環境といえるでしょう。植物や芝生はきちんと手入れされており、中庭はちょっとした宮殿のよう。中庭を抜けるとハーブ療法を学ぶための医療用ハーブを育てるハーブガーデンもありました。 キャンパスの中で目を引いたのは「The Center for Mind, Body, Spirit and Nature」というサインが掲げられたオープンルーム。部屋の中にはちゃぶ台のような低いテーブルとクッションが置かれ、タロットカードや曼荼羅(マンダラ)の塗り絵、スピリチュアル系の雑誌が常備されていました。ホリスティック医療の特徴として、不調が表れている身体だけをケアするのではなく、心や精神の状態までも重視しながら治療を行う、という考え方があります。日々の心の平穏や癒し、リラックスを得るための瞑想やヨガ、マッサージなどのリラクゼーションを治療の一部として捉えるのもそのためです。誰でも気軽に利用できるこの部屋で、無心に曼荼羅塗り絵をしてみたり、瞑想をして心身を休めたりして、学生たちはホリスティック医療の精神を学んでいくのでしょう。 バスティア大学に来たらぜひ足を運んでほしいのが、カフェテリア。太陽光がたっぷり差し込む開放的な空間で、一般の人にも開放されています。入り口には大きなホワイトボードが置かれており、その日のメニューに使われている食材の産地が書かれています。よく見てみると、この日の食材はほぼワシントン州周辺のオーガニック農場から取り寄せられていることが分かりました。「このカフェテリアで食事をすると、家族経営の地元オーガニック農場をサポートできます」というメッセージも添えられており、地産地消の精神が感じられました。20種類以上のメニューから好きなものを好きな量だけ選べるブッフェ形式で、ビーガンやベジタリアンの人も苦労せずに食材を選ぶことができます。しかも、肉を盛ろうと野菜を盛ろうと、値段は重さで決まるので、安く抑えたいときは重量のあるご飯や肉は少量にして、野菜を中心に選ぶと割安に。私はご飯や豆腐、カレーをお皿いっぱいに盛って8ドル。おいしいオーガニック食材をお腹いっぱい食べられて、コストパフォーマンス的にも大満足でした。 バスティア大学ではナチュロパシックドクター(自然療法医)コースだけでなく、栄養学や鍼灸学部などの学士/修士コース、一般向けの生涯学習プログラムも充実しています。アロマテラピーやヨガ、アーユルヴェーダ(インドの伝統療法)など学んでみたい自然医療があれば、一度キャンパスを訪れてみると発見があるかもしれません。

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Bastyr University 14500 Juanita Drive NE, Kenmore WA 98028 ☎425-602-3000

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