シアトルダウンタウンの鉄板焼き店「HAMANASU」は、シェフが目の前で焼き上げるクッキング・パフォーマンスで人気だ。
同店は今年4月より、「ベニハナ」のフランチャイズを打ち切って名前を変えて営業しているもので、「もともとオリジナルな方法でやりたいと思っていたんです」と、オーナーの菅原恵梨子さんは語る。メニューは以前と同じだが、フランチャイズではできなかったレシピのアレンジを行い、いっそうおいしく生まれ変わった。
取材・文:小林 真依子 写真:小村 侑子
大きな鉄板で調理する鉄板焼きは、アメリカで「Hibachi」と呼ばれる日本発祥のスタイル。とはいえ、意外に日本人に馴染みがないのも事実で「もっと日本人の方に気軽に鉄板焼きを楽しんでいただきたいですね」と菅原さんは話す。
今回いただいたのは、ランチコース「ランチデュエット」($17)。ビーフ、チキン、シーフードなどから2種類のメインが選べ、サラダ、野菜チャーハン、鉄板焼きの野菜がついてくる。
注文を終えると早速担当シェフが登場し、同店名物のフライ返しやナイフを使ったリズミカルなパフォーマンスが披露された。スライスしたタマネギを山のように積み上げ、その頂点に炎をともして火山に見立てたり、フライ返しで卵を割るなど、目の前で繰り広げられる鮮やかな手さばきは、まさにエンターテイメント。シェフそれぞれにオリジナルのパフォーマンスがあるそうで、訪れるたびに違ったもてなしが体験できるのも楽しみのひとつだ。お気に入りのシェフの指名もできるとか。
チョイスしたメインは、ビーフ、ホタテ、エビ、そして通常メニューからロブスター。USDAセレクトのビーフは好みの焼き加減でサーブされ、食べた瞬間に口いっぱいにジューシーな肉の味が広がる。分厚くてしかもこのうえなく柔らかく、とても食べやすい。ホタテ、エビ、ロブスターはいずれもプリプリと身が引き締まった食感を残しつつ、舌の上でとろける絶妙な焼き加減! 料理はジンジャーとマスタード、2種類のタレでいただく。筆者のお気に入りはマスタードだ。通常のマスタードと違い、マイルドながらピリッと辛みの効いた味わいで、肉、シーフードのどちらにも合う。タレからサラダに使用されるドレッシングまですべて自家製だ。コース最後のチャーハンは、特製バターの風味がきいてペロッと食べられる。同店の食材はすべてローカルのものだ。
ランチとディナーともにコースメニューが揃い、好きな料理をアラカルトでも注文できる。鉄板料理だけでなくお寿司の種類も豊富で、ランチタイムには大好評の「お寿司食べ放題」($15.95)もあり。日本酒やオリジナルカクテルなど、ドリンクメニューも充実している。鉄板を囲んでの料理とお酒、パフォーマンスが楽しい同店はこれからのホリデーシーズンにぴったりだ。10人以上で来店の際は、グループメニューがあり通常よりお得になっている。食事をすると駐車場が割引になるサービスあり。
HAMANASU
1200 5th Ave., Seattle, WA 98101
☎ 206-682-4686
営業時間
平日:ランチ11:30am ~ 2pm
ディナー5pm ~ 9:30pm(金~ 10:30pm)
土:4:30pm ~ 10:30pm
日:4:30pm ~ 9pm
ハッピーアワー:月~金 5pm ~ 7:30pm
www.hamanasuseattle.com