人気のお店訪問
キャピトルヒルにある日本スタイルの居酒屋「スイカ・シアトル」。毎日更新される限定メニューとシーズナルな日本酒は、疲れた1日の締めにピッタリ。日本人にもアメリカ人にも大人気の同店を、ソイソース取材班がレポートします!
*2020年情報更新 居酒屋「スイカ・シアトル」は閉店しました。継承店の「ロンド(Rondo japanese (rondojapanesekitchen.com))」姉妹店の「タマリバ―(http://www.tamaribarseattle.com)」は営業しています。
取材・文:ハーモニー・ケリー
写真:小村侑子
迎えてくれたのは、オーナーシェフ兼プロデューサーの木本真(きもとまこと)さんと、ジェネラルマネージャーの寺尾観(てらおかん)さん、そして去年の6月からキッチンシェフとして働き始めた上野大輝(うえのだいき)さん。窓際の席に案内され、同店のシンボルである88本の空きボトルを使用して作られたシャンデリアに目を奪われていてるうちに、どんどん料理が運ばれてきた。
期間限定メニュー「うにクリームうどん(Uni Cream Udon $14)」は、大きなお椀に入ったうどんに、トビコの赤や黄色、野菜の緑や赤むらさきで彩りが添えられてカラフルな仕上がりに。そこに大きなウニと半熟たまごが盛り付けられている。なんと贅沢なうどん! スープは生クリーム、出汁、西京味噌を混ぜたものに蒸しウニが加えられ、甘い香りが食欲をそそる。ふわふわな食感のうどんにコクのあるスープとゆず風味のトビコが絡む。
名古屋でおなじみの台湾ラーメンからヒントを得て作られた「ザ・担々麺(The Hellz “Dan Dan” Ramen $13)」は同店の人気メニュー。麺はハワイとロサンゼルスに拠点を置く製麺会社から仕入れているというこだわりよう。スープには発酵したエビやキムチ、カシューナッツが使われていて深みのある味わい。麺の上に乗った挽き肉は口の中がピリピリするほどのスパイシーさで、つい箸が止まらなくなる。
イタリア料理のデザートの定番、カタラーナ(凍らせたプリン)を和風にアレンジした「そうだ、京都へ行こう! 京の抹茶ブリュレ(Suika’s Signature! Frozen Green Tea crème Brulee with Red Bean Paste $6)」も絶対に見逃せない。抹茶をふんだんに使った濃厚なクリーム地をオーブンで焼いた後に冷凍庫で凍らせている。パリッとした香ばしいカラメルと、とろけるアイスの心地よい冷たさが同時に口の中で楽しめる。添えられた生クリームとあずきソースは相性バッチリ。
ハッピーアワーだけのお楽しみは「てんべろセット($10)」。その名の通り、10ドルでベロベロに酔える!?、ビールと日本酒1杯ずつ、さらに日替わり3種の小鉢も付いてくるおトクなセットだ。
木本さんがシアトルでレストランをオープンしたのは、「若いうちは都会に店を出して、競争の中で強くなれ」と、バンクーバー時代に10年間お世話になった社長に言われたからだという。トロント、モントリオール、ロサンゼルス、ニューヨークなど色々な都市を見に行き、シアトルに決めたのだとか。「オープン当初は大変なことだらけでしたが、 従業員に支えられた。みんな、すごく良い子たちなんですよ」と笑顔で語る木本さん。オープンして2年半を迎える同店、木本さんと寺尾さんをリーダーに、従業員の間で育った一体感がひしひしと伝わってきた。