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ドナルド・ラドヴィッチさん、フローラル・アートの世界

フローラル・デザイナー ドナルド・ラドヴィッチさん

日本やロンドンなど国際的に活躍するドナルド・ラドヴィッチさんの「プリザーブド盆栽」展が、4月25日から28日まで、フランズ・チョコレートのジョージタウン店で開催されました。1919年創業の宮内庁御用達の老舗、漆の山田平安堂の子会社である平安堂アメリカとの初コラボ作品を作り上げたドナルドさんに、ソイソース記者インターンが直撃インタビュー!

(取材・文:田中美和)

ドナルド・ラドヴィッチ(Donaldo Radovich)◼️シアトル生まれのフローラル・デザイナー。ハワイを皮切りに日本、オーストラリア、ロンドン、合わせて35年間を海外で過ごす。独創的な技術は、セレブを始め、世界のファッション界、デザイン界、メディアから注目される。これまで数多くのイベントやインスタレーション、芸術制作に携わる。日本からインスピレーションを受け、ヨーロッパの流行とアメリカのライフスタイルを取り入れた独自のフローラル・デザインをシアトルに紹介する。 donaldo@delingerandradovich.com

 

「人生の半分を日本で過ごし、プリザーブドフラワーも多くの人に楽しんでもらえるようになりました。故郷のシアトルに戻った今、今度はアメリカでも広められたらと思っています」。これまで日本では生花を使ったシンプルなアレンジメントを、ロンドンでは巨木やインスタレーション・アート(空間 芸術)を使い、大がかりなスタイリングを行っていたと話すドナルドさん。海外で学んだ異なる世界観を、シアトルの人々に届けたいと思いを語る。

作品には日本から輸入したバラや菊が使われているフランズのチョコレートとセットで母の日のギフトにも

シアトルを離れたのは、20歳の頃。35年間の海外生活では、イベントやテレビ、ファッション関係など幅広い分野で活躍し、高く評価されてきた。4月に帰国したばかりで、早速地元でイベントを開催し、大盛況となった。「今回のイベントは、主催者である平安堂アメリカとのコラボレーション。日本から取り寄せた山田平安堂の漆器とプリザーブドフラワーの組み合わせは、とても印象的だと思います。

店内を華やかに彩るサクラのインスタレーションは圧巻

桜のインスタレーションもぜひ注目して欲しいところ。実は、ウエディングやショーウインドーのディスプレイ、レストランなどでも、桜のインスタレーションを使うのが大好き。桜を紅葉や藤に替えれば、どんな季節にもぴったりです」。桜のインスタレーションは、イベント終了後も6月まで店内に引き続き展示され、フォーシーズンズ・ホテル内にあるフランズのダウンタウン・シアトル店でも見ることができる。

そして忘れてはならないのが、イベント名にもなっているプリザーブド盆栽。「日本に住んでいた時、小さな盆栽をコレクションしていたんです。でも、手入れをするのがとても大変。水をあげたり、植え替えたりする必要のない盆栽を作ろうとして、このアイデアが生まれました。プリザーブド盆栽なら室内に飾ることもでき、手入れはほこりを落とすだけ。1年中楽しめます」。

山田平安堂の漆器を使ったプリザーブド盆栽針葉の1本1本にドナルドさんの技が込められている

オリジナリティーのあるドナルドさんの作品は、どのようにして作られるのだろうか? 「プリザーブドフラワーは、今まで住んできた国での経験を組み合わせるようにイメージして作ります。たとえば、バラはイギリス、菊は日本、その他の花はオーストラリア。全ての経験を1つの箱に詰めて、人々を魅了したい」。将来的には日本の生花の輸入ビジネスや、他の日本企業との仕事もしていきたいと、ド ナルドさんは語った。