SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!
スターバックスが3月で50周年を迎えたそうだ。同時に日本でも上陸25周年。銀座に日本1号店がオープンした当時を知る世代としては、「スタバ」と言えば日本ではまだまだ新しいしゃれた企業という印象だったが、どうやらすっかりベテランのコーヒー屋さんになってしまった。
思えば、私が「フェアトレード」という言葉を最初に認識したのは、スターバックスがきっかけだった。2005年頃のことだったと思う。当時、「カフェ・エスティマ・ブレンド」という豆があり、そのパッケージに国際フェアトレード認証ラベルが付いていたのだ。フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」のこと。私たち先進国の人間は毎日当たり前にコーヒーを飲んでいて、でもその裏では、途上国の生産農家が貧困に苦しみ、その子どもたちが学校に通うことすらできずに裸足でコーヒー豆を収穫している。そんな衝撃的な事実をそれまで意識したことがなかった。フェアトレードのコーヒー豆を買うことは、コーヒー農家の皆さんへ適正にお金が支払われるために私たちにもできること、とその時知った。
スターバックスは昨年、新しいサステナビリティー目標も発表している。二酸化炭素やゴミの50%削減、環境に配慮したメニューの拡充などなどに取り組むそうだ。10年ほど前には、スターバックスがローカルの小規模カフェ・ビジネスを圧迫しているとひどく嫌われた時期もあったが、大企業だからこそ、こんな風に率先して声を上げてくれるのは良いなぁと思う。昔の私のように、誰かの意識が変わるきっかけにもなる、ハズ。何しろ、このまま温暖化が進むと2050年にはコーヒーの栽培地が減少し、収穫量も減ってコーヒー農家の存続が危うくなり、おいしいコーヒーが飲めなくなってしまうのだ!(コーヒー2050年問題と言うらしい)。
そんなことになっては困るので、私も日々できることを地道に実践していく所存だ。コロナのご時世、なかなかカフェには行けないが、サブスクリプションで豆を取り寄せおうちコーヒーを楽しんでいる。シアトルならハーキマー・コーヒー(ローカル・ビジネスのサポートも私たちのできるSDGs!)、ちょっと遠くからであればブルーボトルコーヒーが好きだ。どちらも農家との公正な取り引きや、持続的な方法で栽培されたコーヒー豆の提供などにこだわる。私の人生になくてはならないものだから、持続可能なコーヒー生活を続け、30年後も毎日おいしい1杯を味わっていたいと思う。
www.starbucks.com
1971年、パイク・プレース・マーケット内に最初の店舗を出店。現在は全世界に3万店以上を有する世界最大コーヒー・チェーン。イタリアン・スタイルの深煎りが特徴で、「シアトル系コーヒー」文化を確立した。50周年記念アニバーサリー・ブレンドや限定アイテムを販売中。
■Herkimer Coffee
https://herkimercoffee.com
2003年創業。シアトル市内に4店舗を構える。フィニーリッジ本店では週4日焙煎を行っているため、いつでも新鮮な焙煎豆が手に入るのがうれしい。サブスクリプションで12オンスまたは2パウンドの焙煎豆を取り寄せられる。
■Blue Bottle Coffee
https://bluebottlecoffee.com
エスプレッソ主体のシアトル系とは一線を画した、ドリップを得意とするカリフォルニア州オークランド発のコーヒー・ショップ。浅煎りの香り高い焙煎が特徴で、サードウェーブ・コーヒー・ブームの立役者。米国外での初出店は2015年、日本の清澄白河店。