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第6回 日本国内を安く飛ぶ工夫

団塊の世代の日本人が今直面する、親の介護。高齢の父母の暮らしを手助けするために、日米を往復する夫婦の暮らしとは?

私たち夫婦の場合、夫の実家が四国の高知、私の実家が九州の福岡と、成田からまた遠く、さらに国内移動が必要です。電車では時間がかかり過ぎるため、東京・福岡・高知間の移動は飛行機を利用します。この費用を抑えようと、いろんなことを試みました。

日程がわかっている場合は、次の方法があります。まず、海外在住者向けチケットの利用。1区間当たり1万円相当で国内線航空券を購入できます。区間によっては、1万円を切る場合も。この特別運賃は、日本航空ではJapan Explorer Pass、全日空ではExperience Japan Fareと呼ばれ、ウェブサイトから購入可能です。1区間から購入できるので便利。ただし、予定が変わってキャンセルしても返金はありません。

もうひとつは、国内航空会社の発売する「旅割」(全日空)、「先得」(日本航空)など先行販売の格安航空券を購入すること。国内線航空券は2カ月前からの発売でしたが、近頃はそれ以前でも購入できるようです。予約・購入が早ければ早いほど割安で、キャンセルの場合も、払い戻し手数料と規定の取り消し料を払えば返金があります。今は低価格航空会社(LCC)が増え、東京(成田)―福岡線も就航。弟は、LCCを上手に利用して帰省しています。

日程が不確かな場合は、次の方法があります。まず、株主優待券の利用。航空会社は株主のために、航空料金が半額となる株主優待券を発行していて、金券ショップでも買えます。たとえば片道4万円のルートが5,000円の優待券使用で2万円で購入できれば、1万5,000円の節約になります。金券ショップに出向く手間はかかりますが、甥を始め若い人が利用しています。

もし65歳以上なら、高齢者割引も。日本航空では「当日シルバー割引」、全日空では「スマートシニア空割」があり、どちらも普通運賃の半分以下の料金が設定され、年齢を証明する公的書類を見せてカウンターで手続きできます。欠点は、空港に行って空席のある場合にのみ利用できること(全日空は当日朝に予約可能)。ですが、盆と正月、大型連休を外せば、大体いつも席は取れます。かつて、義母が倒れたとの連絡で急きょ羽田から高知に飛んだ時、私は普通運賃で3万6,000円の支払いでしたが、隣に座る夫は高齢者割引で1万2,000円ほど。以来、高齢者割引資格の生じる65歳の誕生日は、私にとって本当に待ち遠しい日となりました。