ランは、熱帯産の高級な花というイメージがありますが、最近は栽培技術が進み、身近な花として一年中出回っています。豪華絢爛なものから小型で可憐なものまで多くのランが 切花として利用され、季節の生け花に彩りを添えてくれます。今回使用するコチョウランは、花の形が昆虫のガに似ていることから、ギリシャ語でガを意味するPhalainia と「似る」を意味する opsi s を組み合わせた Phal aenopsi s(ファレノプシス)の属名があります。気品のある美しさから、ギフトやウェデングでもよく使われる花材です。 今回は、どの方向からでも見られる生け花にするため、透明のガラス花器を用います。最初に花器の外側に雲竜柳をバスケット風に編みます。編む時は、枝先の柔らかい部分を使用し、所々ワイヤーで留めて固定させます。雲竜柳の面白い線を生かして編み、1、2 本長めのものを花器の中から出してアクセントにします。花器にたっぷりの水を張り、コチョウランを水中花にして入れます。コチョウランが水中で拡大され、豪華でなおかつ涼しさも醸し出せます 器:ガラス花器、 花材:雲竜柳 10 本、コチョウラン 1 本、ハラン 1枚、モンステラ 1 枚 生け方: 1.. ハラン 1 枚とモンステラ 1 枚を十字に重ねて置いておく。 2.. 花器の外側に雲竜柳を縦に沿わせてセロテープで固定し、縦や横に張り出して交差する枝同士をワイヤーで留めていく。 3.. 編む時は、雲竜柳に少し余裕を持たせてワイヤーで留めていく。 4.. 面白い線のある雲竜柳はそのまま残し、ラインを見せる。花器の中が見えるように、編み過ぎないように注意する。 5.. 花器に水を80%入れ、コチョウランをその中にそっと沈めて、花器の底に着くようにする。 6.. ①の上に花器を移動させ、最後に下に敷いた葉の上に小さめの色違いのコチョウランの花を 2 つ置く。 *花材の写真にはモンステラの葉がありません。 [花ごよみ]