知っておきたい身近な移民法
米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。
本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。
グリーンカード申請に関する最新情報
アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカード(米国永住権)を取得する外国人配偶者は、結婚後2年以内にグリーンカードを取得した場合に限り、当初2年間有効の条件付きグリーンカードが与えられます。条件を削除するには、条件付きグリーンカードの有効期限が切れる90日以内に、外国人配偶者とそのスポンサー配偶者が共同で条件を削除する申請を行います。離婚や配偶者が亡くなったなどの理由により、共同で申請できない場合は、免除申請も可能です。どちらも同じ申請書(Form I-751:Petition to Remove Conditions on Residence)を使います。
申請書提出後、移民局が発行する申請受理書を受け取りますが、そこには通常、グリーンカードの有効期限が切れても申請期間中はステータスを最長18カ月間延長すると記載されています。申請期間中にグリーンカードの有効期限が切れてしまっても、その期限切れのグリーンカードと申請受理書があれば、永住者であることを証明できます。現在は審査期間が長引いているため、移民局は9月4日以降に発行された申請受理書に、ステータスを最長24カ月延長すると記載し始めています。また、それ以前に提出し、現在も審査中である申請に対しては、グリーンカードの有効期限を24カ月延長すると記載した申請受理書を新たに発行することも発表しました。
グリーンカード申請者は、移民局の指定病院にて健康診断を受ける際、特定のワクチンについて接種したことを証明する必要があります。10月1日より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが、このグリーンカード申請に必要な特定ワクチンのリストに追加されました。つまり、10月1日以降は、健康診断を受けるに当たり、新型コロナワクチン接種が義務付けられます。新型コロナワクチンを接種済みの申請者は診察時、医師に接種証明を提示します。ただし、以下に該当する場合、移民局はワクチン接種を全面的に免除できます。
- 申請者の年齢により、ワクチン接種が適切ではない場合
- 申請者の病状から、ワクチンを接種できない場合
- 指定病院の地域で、ワクチンを定期的に入手することが困難な場合、あるいは
- ワクチンの供給が十分でないため、ワクチン接種が大幅に遅れている場合
また、前記に該当しない場合でも、宗教や道徳的な理由から新型コロナワクチン接種の免除を希望する申請者は、免除申請書を提出できます。ただし、移民局が免除を認めない場合は、新型コロナワクチンを接種しなければなりません。それでも新型コロナワクチン接種を拒否した場合、グリーンカードを取得することはできません。
在日米国大使館・領事館でのビザ申請
在日米国大使館・領事館では、郵送によるビザ申請業務の範囲を広げることを発表しました。以下の条件を全て満たしていれば、新規の申請であっても、面接を受けることなく郵送による申請が可能となります。これは2021年12月31日まで設けられている特別措置です。
- 日本国籍者であること
- 日本に滞在していること
- Fビザ、Mビザ、またはアカデミックの分野(中高生、大学生、 教授、研究学者、短期滞在学者、専門家)に限ったJビザの申請者であること
- 過去にESTA申請を拒否されたことがないこと
- 日本やアメリカに限らず、全世界で逮捕歴がないこと
アメリカへの渡航制限解除
バイデン政権は、新型コロナワクチンの接種証明と、出発前3日以内のCOVID-19検査陰性結果を提示した外国人に対して、11月8日からアメリカへの渡航制限を解除することを発表しました。
DV-2023プログラム
2023年会計年度(2022年10月1日から2023年9月30日まで)のDVプログラム募集要項が発表されました。受け付けは10月6日東部時間正午から始まっており、11月9日東部時間正午に終了となります。詳細は公式サイト(https://dvprogram.state.gov)で確認できます。