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和太鼓を通して広い世界を見つめる 太鼓の学校

和太鼓を通して広い世界を見つめる
太鼓の学校

有名な和太鼓集団「鬼太鼓座おんでこざ」元座員からレッスンが受けられる、そんなことが叶うのも大きな日系コミュニティーを持つシアトルならでは!

(取材・文:加藤瞳)

コミュニティーイベントでのパフォーマンス舞台での演奏前には緊張もするけれど太鼓仲間との息の合った演奏ができたときはうれしいと生徒さんからの声

全身で音を感じながら仲間と心でつながる、そんな和太鼓の魅力に触れてみてはいかがだろう。立石あさこさんが、公私共にパートナーであり、和太鼓プロ歴30年の立石鈴太郎(りんたろう)さんとシアトル・ベルビューに太鼓の学校を設立したのは2009年のこと。「現在参加するのは約80名、5歳から70歳代までで、30〜50代の方が中心です」。これまでの最高齢は84歳というから驚き。ほとんどは未経験から始めた生徒だ。「バチを持ち、身体を無理なく動かせれば、誰でも参加できます。楽器体験が特になくても、レッスンを続けていくうちに、リズムに合わせてテンポよく演奏できるようになります」

レッスンでは、まず太鼓とバチの扱い方を知ることから始まり、基本的な打ち方、身体の使い方を中心に基礎を丁寧に学び、最初の1曲を習得していく。レベル別で、初心者にも無理のないプログラム。「太鼓は全身を使うため、エクササイズとしても優れています。また、舞台上では楽譜を見ながら演奏できないので、レッスン時から記憶力や集中力が必要となり、脳の活性化にもつながります。日常ではできない、大きな音を出して自分を解放する時間は得難いものでしょう」。漠然と稽古するのではなく、「曲を習得して発表する」「技術の向上を目指す」という明確な目的の下、仲間と協力して1つの曲を作り上げていくのが和太鼓の醍醐味。また、アメリカにおいては、太鼓演奏で日本文化をコミュニティーに紹介する立場となり、地域の文化交流の一翼を担うことができる。これこそ、海外で学ぶ者ならではのメリットだろう。

練習前には良い音を出すために太鼓を締め直す作業を行う笑顔あふれるレッスンのひとコマだ

通常は週に1回、1時間のレッスンから始まる。およそ半年後には法被を羽織ってステージで演奏することを初めの目標として練習していく。立石さんは、太鼓の学校だけでなく、プロ奏者団体「ちきり」も主宰しており、希望者はオーディションを経て集中レッスンなどに参加しながら、プロフェッショナルへの道を目指すことも可能。「時々ハードルもありますが、続けていくことで必ず乗り越えることができるはず。近いゴール(小さな目標)と、1年後、数年後のゴール(大きな目標)を掲げると、やりがいもさらに増えるのでは。どのレベルにおいても楽しみながら太鼓を続けてもらいたいですね」

The School of Taiko

場所: シアトル教室(JCCCW)
1414 S. Weller St., Seattle, WA 98144
ベルビュー教室(Bellevue College)
3000 Landerholm Cir. SE., Bellevue, WA 98007
スケジュール・料金:変動するため下記ウェブサイトで 確認
問い合わせ:info@japancreativearts.com
詳細:www.japancreativearts.com

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。