伊勢のおばちゃん あなたのお役割は?
「伊勢のおばちゃん」ことみやざきみわさんが、マヤのツォルキンと神道を融合した統計学である「十三導」を元に、人間関係、子育てから経営まで、様々なお悩みを解決します。
三方良し
この地があるのは先祖のおかげ、今は将来の子どもに借りているだけ。そんな考え方があります。目の前を見ているだけではない生き方は、世の中を循環させる。これも、売り手良し、買い手良し、世間良しの「三方良し」ではないでしょうか。
シアトルの皆さま、こんにちは。ミーンミンミン♪とセミのモーニングコールで目が覚める季節、「暑い!」を連発し、飲まないとやってられないわと空を眺めては、冷酒なんかをひっかけております。と、言い訳を作って年中酒を飲む私(笑)。さて、このコラムも「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングのようになってきました(知らない世代の方はスルーしてください)。逸材による逸材紹介の連鎖が起こりまして、なんと半年先までインタビューが埋まっています。すごいことになってきたぞ!
今回はシリーズ2回目に登場した、酒乃店もりしたの森下社長からのご紹介。あらゆる企画を盛り上げている若手集団の仲間だそうです。素敵なバトンの縁をつないだのは、三重県の元坂酒造専務、元坂新平さんです。
江戸時代中期の1805年(文化2年)、三重県多気郡にて創業した歴史ある造り酒屋に長男として生を受けた新平さんと初めて会ったのは、若い蔵元が語る席でのことでした。私の提唱する13パターンの「お役割」で何に当てはまるのか、つい習性で調べてしまうわけですが、彼は「社会に貢献するために生まれてきた人」に分類されました。社会に貢献する人はたくさんいますが、「生まれ持って」というのがまたワクワクさせてくれます。
米作りは、土を耕し、苗を植え、穂がなびき、人の口に入るまでに大変な工程があるもの。このご時世、米の単価は丼1杯100円程度にしかならないようです。しかし、その米をさらに端正込めて酒にすれば、単価は何倍にも変化する。そう、彼が言うには、酒蔵が継続できるのは大切な農家さんのおかげであり、本来は「持ちつ持たれつ」なのです。農業も酒造も減る一方の状況を見かねて、彼は農業を活性化させるために新しい農業コミュニティーを始めていました。自分で農地を耕し、いずれ家と農地をセットで提供していくそう。日本の農耕民族は3000年以上、鍬1本で山を切り開き、耕してきました。先祖から私たちが受け継いだ土地は、未来の子どもたちからの預かりもの。その間を「つなぐ」コトが自分のお役割だという話でした。
ちょっと、みやざき震えた……。自分の生きている時代だけを見ていない若者に出会えたコトに感謝。きっと彼の作ったスタイルは、やがてめぐりめぐって「三方良し」となるのだろうと思いました。
その新平さんですが、実はこんなストーリーが! 地方で後継者に生まれたところで継承する気もなく、都会に出てアルバイトで生計を立てる時代があったそうです。気持ちはわかる! かわいい子には旅をさせろと言いますが、旅に出しても先祖がしっかりしているとちゃんと戻ってくるんだな。そんな実社会も味わってきた頼もしい次期7代目です。
さて最後に、新平さんのお役割ですが、12番の「共鳴する人」でした。本当に共鳴しているな〜。どんなオタクかと言えば、「気づかいオタク」かな?(笑)