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こんな経営者が面白い(6)

今回のテーマ

架け橋

人と人をつなぐ空間を愛する人は「架け橋さん」なんだと思います。人を喜ばせるのが好きな社長さんが経営する店は、コロナ禍にあっても強い!

シアトルの皆さま、こんにちは。最近の日本と言えば「もうコロナには飽きちまったぜ!」とばかりに、ソーシャル・デイスタンスには気を付けつつも、街には人の姿があふれてきました。私も久しぶりの山形県に向かう飛行機の中、このコラムを執筆中です。「コロナで太っちゃいまして」が挨拶代わりの日々ですが、おいしいものだらけの街に仕事に行けば、またコロナを言い訳にすることは間違いないとひとりで突っ込んでいます(笑)。

さて、飛行機と言えば成田空港。そこから近い富里インターチェンジ(IC)よりアクセスできる「うなぎオタク」もとい鰻処さかたの社長を今回はご紹介したいと思います。

「串打ち3年、裂き8年、焼きは一生」と熱く語る坂田社長。千葉に住む方から、「面白いゴルフコンペがあるから来ないか?」と声がかかり、出かけたのが最初のご縁でした。ちなみに、そのコンペ「さかた会」で私はと言うと、ハンデのおかげで最下位ではなかったものの、点数自体は最下位だったことをお伝えしておきます(笑)。

そんなさかた会は、ゴルフが終わると店舗に移動してアフターパーティーが始まります。ドリンクは飲み放題、天然鰻はガンガン出てくる! さらに大ぶりの肝も。常連の皆さんは鰻を持ち帰りにしているけれど、一緒に初参加した友人と「せっかくなら焼きたてを!」と手を伸ばした結果、あれやこれやの料理で食べ切れない。そして、コンペの景品を渡す時間になると、大人しかいないのに、まるで昭和の日本の子ども会でクリスマスに大量のお菓子をもらうかのような光景に。「え? え? まだもらえるの?」と、みんな大喜び。私も景品にシャインマスカット、巨峰、新米1キロをいただきました。

坂田社長が家族経営の店から独立して鰻屋を始めたのは2003年。最初から今のように満員御礼だったわけではないそうです。固定客獲得まで時間がかかったうえに、鰻の高騰に見舞われるなど、苦労も当然ありつつ、そんな日々の中でゴルフには出かけていました。そこで知り合った方々が店に足を運んでくれるようになり、またゴルフに行き、という流れを繰り返すうちに、「そうだ! うちでコンペをやろう」と社長が叫んだかどうかは知りませんが(笑)、これがさかた会の始まりということです。このコンペのすごさは、どう見積もってももうけなし。そして大人を子どもに戻すほどの景品。良い意味で昔の人が言った「損して得取れ」の見本みたいなコンペ。まず店を知ってもらう、知って食べてもらう。「コンペで知ったんだけど、コンペ以外でも遠方から家族でここに食べに来るんですよ」という参加者の声も。もちろん、商売というのは利益を出してなんぼ!の世界です。しかし、坂田社長はミヤザキの提唱するお役割(1〜13パターン)では3番の仲人、「人と人の架け橋」の達人。3番の人はひと言で表すと、とても人思い。「絶賛優しさ放出中!」で人の喜ぶ顔が好きな人でないと、このコンペはできない。

コロナ禍で飲食業は深刻な打撃を受けていると聞き、社長にも尋ねてみました。ところがなんのその、全く客足は衰えていないとのこと。人への思いがある店はコロナでも変わらないんだと痛感しました。もし、成田に来る機会があれば、「焼きは一生」の坂田社長の鰻をぜひ食べてみてください。

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通称みやこ。1967年生まれ。三重県出身、九鬼水軍の子孫。『13の性格』著者。オリジナルの人間学「13導」を用いて、「みんな違ってみんないい」をモットーに資質、才能を伝える。現在は名古屋にオフィスを構え、自称「御用聞き」としてお悩み解決に国内外を飛び回り、若いスポーツ選手や経営者をもチャンスへと導く。最近では、良き日本文化を海外へ広める社会貢献としての活動も行う。自身のお役割は8番の「交流」。リモートによる社員研修や個人セッションをインスタグラム(@miwa_micco)で受け付ける。