伊勢のおばちゃん あなたのお役割は?
「伊勢のおばちゃん」ことみやざきみわさんが、マヤのツォルキンと神道を融合した統計学である「十三導」を元に、人間関係、子育てから経営まで、様々なお悩みを解決します。
人に共鳴していく人
その時代、その地域、その業界、人の声に耳を傾けながら、自他共にスキルアップしていきたい人。自らというより、クライアントの声をもって提案する。まるで「御用聞き」のようなビジネススタイルこそが、これからの社会を変えていく。
シアトルの皆さま、こんにちは。先日、シアトルの友人が桜の写真を送ってくれました。もう桜も散り、日本もシアトルも新緑の頃。なぜ、桜を見ると心に響くのか? それはきっと、新しい春を迎えるたびに寄り添ってくれるのが桜だからではないでしょうか。と、今回はしっぽりと小説家みたいな書き出しにしてみました(笑)。
そんな桜が年中見られる!? 今回ご紹介したいのは、1887年創業の丸モ高木陶器5代目、高木正治社長です。料理研究家の友人に誘われて出かけたイベントで、こちらの陶器と出合いました。盃に冷酒を注いでもらうと、木と枝が絵付けされている底から桜の花びらがじわりじわりと浮き出て、満開の桜の木に! 「お花見だ〜」と、テンションの上がる盃なのです。丸モ高木陶器は1300年の歴史ある美濃焼を生産する世界有数のやきもの産業地、岐阜県多治見市が拠点。新しい挑戦を行いながら伝統の文化と技術を継承するセラミックバレーです。
高木社長は、私の提唱する人間学「十三導」で12番の「共鳴する人」。人の話に耳を傾けるコトができる逸材であると、まずは言いたい! 陶芸家と聞くと、ろくろを回しているイメージかもしれませんが、実際は伝統を守るだけでなく、時代に合わせて新しい試みもしていかなければならない業界です。この場では語り尽くせませんが、たくさんのストーリーの中でぜひ取り上げたいのは、北京での出来事。皇帝料理人と出会い、耳を傾けるうちに、「本物の器を世界に届けたい」という思いに目覚めたと言います。私も知らなかったのですが、世界で器を作っている国自体がまず少ないそう。おいしい料理を器でドレスアップさせ、温度調整でさらに美しさを表現する。それが高木さんの目指すところとなりました。
世界の大使館に日本の器を納めるにはどうしたらいいか? そのアイデアからスタートした高木さんのストーリー。やがて器は海外に認められるようになります。この発想は共鳴する人だからこそ、なせる業ではないかと。高木さんの「マーケットインが大切」という話にも納得でした。これからの時代は不可欠だと私も思います。
そして、消費者の求めるものを作るコトも大事。最近の大ヒット作は、コロナ禍でのお茶目な発想から生まれました。牛乳瓶に牛乳を注ぐと、パンダが浮き出る! おうちで過ごす子どもに楽しんでもらい、家族の会話のきっかけになればと作ったのだそう。動画で見るとわかりやすいかと(www.youtube.com/watch?v=3nizVHZrlQQ)。
高木社長の器への挑戦話を聞いていると、「実験してみたところですね」という言葉がやたら出てくる。これは命名しないといけない。この人は「実験オタク」だ!(笑)。いろんな人と共鳴して、これからも美しい日本の伝統を日本に、世界に広めていってください。