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一流アーティストたちが奏でる予測不能なアート

こんにちは、ライターのNaokoです。

自由で予測不能な舞台芸術、コンテンポラリーバレエ。パシフィックノースウエスト・バレエ(PNB)は、そんな魅力がたっぷり詰まった作品3点を公演中です。

6月2日に行われた初日は、バレエ関係者や目の肥えた長年のファンが目につき、スタンディングオべーションが続出しました。演目となった3作品は、全てPNBにとって初演。これまで見たことのない動きや演出に、感嘆のため息や思わず漏らす笑い声が会場に広がっていました。

 

Pacific Northwest Ballet principal dancers Jerome Tisserand and Carrie Imler in La Source choreography by George Balanchine © The George Balanchine Trust which PNB is presenting as part of PICTURES AT AN EXHIBITION June 2 11 2017 Photo © Angela Sterling

一作目は、20世紀の巨匠バランシン振付「La Source」。フランスロマン派ドリーブの音楽に合わせて、オレンジのチュチュを着たバレリーナたちが、音符が踊り出すかのように舞台を跳ね回ります。小刻みの速いステップが小気味よく、可愛く楽しい作品。

Pacific Northwest Ballet principal dancers Noelani Pantastico and James Moore with company dancers in Jerome Robbins Opus 19The Dreamer which PNB is presenting as part of PICTURES AT AN EXHIBITION June 2 11 2017 Photo © Angela Sterling

二作目は、一転して心に強く訴えられるような作品「Opus 19/The Dreamer(ロビンス振付)」。プロコフィエフ作曲の同名バイオリン協奏曲にのせて、唯一白い衣装を身にまとった男性ダンサー「夢見る人」が、印象的な存在感を見せつけます。その他のダンサーは、青い照明に溶けこむような色の衣装で、影のように振舞い、時に舞台上から消え入りそうです。初日は、日本人の血をひくダンサー、ジェームズ・ムーアが「夢見る人」として観客の心を掴み、拍手喝采を得ました。

 

Pacific Northwest Ballet principal dancer Rachel Foster with company dancers in Alexei Ratmanskys Pictures at an Exhibition which PNB is presenting as part of a triple bill with works by George Balanchine and Jerome Robbins June 2 11 2017 Photo © Angela Sterling

最後に、現在最も多忙な振付家、ラトマンスキの振り付けた「Pictures at an Exhibition」。ムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」をピアノソロで演奏し、カンディンスキーの絵をモチーフにした映像に、変幻自在とも言えるクリエイティブな衣装、綿密に計算された斬新でユニークな動きをPNBトップダンサーたちが実現し、一流アーティストたちの技術のハーモニーが、総合芸術となって、楽しませてくれました。

 

6月11日(日)まで。

チケット&詳細はwww.pnb.org

北米シアトル在住のライター/編集者。現在はフリーランスとして、シアトル情報全般に関わる取材&執筆を引き受けている。得意分野はアート&エンターテインメント、人物インタビュー、異文化理解。元『ソイソース』編集部員。ピアノ、さる、旅、日本語の文法分析が好き。