一時帰国時・再入国時の注意点
文·五十畑 論弁護士(コラム「知っておきたい身近な移民法」執筆者)
グリーンカード保持者が再入国時に拘束されたケース
グリーンカード保持者が再入国時に拘束されたケースは、主に過去の犯罪歴が起因となっている傾向があります。特に、飲酒運転(DUI)およびマリファナ・薬物の所持の犯罪歴がある場合、拘束に至るケースが報道されています。また、銀行横領などの犯罪歴でも拘束された事例があり、過去の記録が再入国審査に影響することがあるようです。
ビザ保持者・観光客が入国時に拘束・入国拒否されたケース
この問題は近年に限ったことことではありませんが、入国申請時に申告した目的にそぐわない荷物の所持や、SNS上での活動内容によって入国拒否の対象となる場合がありえます。報道されている事例の一つに、家事手伝いの代わりに宿や食事の提供を受ける予定だった英国人観光客が入国を拒否されたケースがあります。また、学会出席のために入国申請を行ったフランス人研究者が、SNSでの米国政権批判が起因して、入国拒否されたケースや、入国時に申請した就労ビザの書類に不具合のあったカナダ人が拘束されたケースもあります。さらに、ハーバード大学の研究者が、関税申告し忘れた生物試料(カエルの胎芽)を所持していたことにより拘束されたとの報道もありました。
入国時の電子機器捜索・荷物検査の合憲性
米国憲法は、令状のない捜索・押収を禁止しています。ただし、これにはいくつか例外があります。たとえば現行犯逮捕時や目視で確認できるものに対しては、令状がなくても捜索が可能とされる状況があります。入国時の荷物検査もこの例外に含まれ従来から、相当な理由がなくても捜索が行われてきました。移民関税執行局(ICE)をはじめとする当局は、携帯電話やコンピュータなどの電子機器についても捜索する権限を持っています。米国市民権保持者の場合、これを拒否しても入国できないことはありませんが、機器を没収される可能性があります。一方で、そのほかのステータスの人が捜索を拒否すると入国拒否につながる可能性があります。また、上記の事例のようにSNSでの発言内容によって入国拒否や拘束に至る可能性もあります。


















