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沖縄B&G海洋センター〜みきこのシリメツ、ハタメーワク

第47回 沖縄B&G海洋センター

B&G海洋センターって、なんだろう? と思って行ってみたら公共プールだった。入場料、高齢者160円。中にはジャクージもある。

広い芝生の入り口前にはシーサーの守り神がいる。「B&G」とはブルーシーとグリーンランドの略だそうだ。公益財団法人B&G財団は、モーターボート競走の収益金を活用して設立された財団で、海洋スポーツを通じて青少年の豊かな人間形成と体力を育むことを目指して、1973年に全国480カ所の施設を建設した。創立者はもちろん笹川良一氏。2015年3月時点の基本財産は73億円。市町村との連携も図っている。なんかとてつもない感じがするけれど、中はとても親切な従業員がいて、更衣室やトイレなど行き届いている。

シャワーをくぐると幼児用の浅いプール、その奥にジャクージ。そして25メートルプールは小学生用に浅くなった広いレーンと泳げる子用のレーン、大人用も歩くレーンと泳ぐレーンとゆったりしている。お昼近くに行くと空いていて、1レーンを独り占めにできることが多い。その時間帯はお年寄りが多く、ジャクージでユンタク(沖縄語でゆったりだべっているという感じ)している。同じ年齢層かと思う人たちに交じると、実は私より10歳以上年上! だったりするのには驚かされる。

そこでは水着も売っている。最近の水着はセパレート型で、上はノースリーブか半袖、下はももの半分ほどまでのショーツ。最後にプールで泳いだのはシアトルのコミュニティーセンター。7、8年前だったろう。そんな形の水着なんぞ見たことがなかったが、こちらでは皆それを着ている。私のはそれほど派手ではなく、胸も開いていない普通の水着。売っているのは窮屈そうだし、しっかり泳げるのか心配で、買う事は考えてもいなかった。

現在股関節の治療も兼ねて、8往復ほど泳いでジャクージ、という夢のような生活をしているのである。平泳ぎに飽きるとノシ泳ぎ。海でイカになったような気持ちで(最近は横泳ぎと言うらしい)。背泳ぎも両手は腰のあたりの水を掻くだけ。もしかして、クリオネ? なんて優雅な姿を思い浮かべながら。

ジャクージと温水プールを出たり入ったりしていると、学校の授業で来ている子どもたちともすれ違う。更衣室でも一緒になることも多く、先週ふと気が付いた。子どもたちがじっと私を見つめるのは、私の水着が異様に映るからなんだろう。考えたらこれまで半年以上通っているが、オールドファッションな水着を着ている人には出会ったことがない。最近の子は、ももの上までさらけ出し細い肩ひもの水着を着た人なんて、見たことないんだろうな。学校に帰るバスの中で噂しているのかも。「あのおばあちゃんの水着、下着みたいだねー」なんて。そろそろ新しいのに買い替える時期かな?

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天海 幹子
東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。