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初孫 – 沖縄(1)親子げんか〜みきこのシリメツ、ハタメーワク

第 36回 初孫 – 沖縄(1)親子げんか

初孫が生まれたので沖縄・名護市に来ている。初めての母親と初めてのバアバは、子育てを通してぶつかるものなんだろう。「抱き癖」に関しての意見の違いで、親子げんかが始まった。

今回は孫の生後6カ月のハーフバースデーということで、歩いて2、3分のAirbnbに3週間泊まり、娘宅へ毎日通い、おさんどんをしながら初孫の成長を楽しみ、ハッピーな時間を過ごすはずであった。

ところが抱き癖のために、おむつを替えるたびに泣くもんで、私は家事の最中に呼び出される。泣いている孫を黙らせるよう娘に指示され、終わるとハイ、戻って続きをしてください、というルーティンになる。なんか使用人? と感じ始めたのは1週間ほど経った頃。

昭和後期に子育てを始めた私は、抱き癖が付くと「わがままになる」などの否定的な要素ばかりで、直さなければいけない、と周りからも言われ育児をしてきた。しかし最近は良い点を見直され、たくさん抱かれた子どもは安心感や信頼感が生まれ、オキシトシン、別名「幸せホルモン」が分泌される、ということである(ほどほどに、中庸も必要だけれど)。

そんなことは親子げんか後に調べてわかったのだが、それぞれに意見があるのはいいとして、売り言葉に買い言葉、のけんかになった。

「ママの意見なんて、聞きたくないわよ!(I don’t care for your opinion!)」
と、娘はけんかになると英語になったりする。それがまた、強く響いて腹が立つのだ。

「せっかくヘルプしに来たのに、勝手にしなさいよ! もう帰る!」
と、私も言い返す。

他人から見たらたわいもない言い合いなのだけれど、当事者としては、私の娘の子育てを本人から否定されたようで、傷付くのだ。

こういう会話、けんかができる仲というのは良いけれど、親しい仲にも礼儀あり。親に対して、失礼じゃない? 最近は、「言われるうちが華」なんて教育はしてくれないのだ。

少し距離を置こうと、バスに乗り1時間ちょっとの北谷ちゃたん に行ってみた。
「アメリカンビレッジは行くべきよ。サンセットビーチもいいし」
と友だちに言われ、散策。

日本に住んでいる人から見たら広くてアメリカっぽいのだろうが、ゲーム館、お土産屋さん館、レストラン館など、別々の建物を1カ所に集めた、巨大ショッピングモールのようなものだ。その先の突き当たりがサンセットビーチで、だだっ広い普通のビーチ。名護からバスで南下しながら見えたビーチのほうがよほど海に入ってみたい。沖縄はそこら中が海で、緑と空に囲まれて自然のパワーが満喫できる。沖縄に住みたい、と思った。

東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。