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自信をつけるための、自己評価と自己肯定感

Aさんは英語環境や仕事にも慣れてきたし、人間関係にも問題がなく、毎日それなりに充実した生活を送っていますが、今の自分に自信がないとおっしゃいます。というのも、職場のアメリカ人を見ていると、さして仕事ができるわけではないのに、やけに自信満々にふるまっていて、こつこつと仕事を頑張っているAさんよりも昇給が認められているのです。自分に何が足りないのか? と考えるようになり、自信のある人になりたいと、コーチングのセッションを希望されました。

そこでまずAさんに「正直なところ、自分に自信はありますか?」と質問したところ、少し考えた後「あるとは言い切れないけど、ないわけではない」という答えが苦笑いとともに返ってきました。次に「誰かから褒められた時は、どのように対応していますか?」と質問したところ、「最近は、とりあえずありがとうと答えるようしている」とのこと。なかなか、「自信あります!」と言い切れる人はいないでしょうが、称賛をどのように受け入れているかによって、その人の自信度が見て取れることがあります。Aさんの受け答えからは、ちょっと自信無さげな印象をうけました。

日本人は謙遜の美学があるからか、例えば同僚から「その靴、素敵ですね」「プレゼン、良かったよ」など、言われても、「いえいえ、この靴セールだったんですよ。安物です」とか、「とんでもない、自分なんかまだまだです」と卑下するような会話が交わされることがあります。それに対し、アメリカ人は褒められれば大げさに喜びを表しますし、時には得意気に、それ(ものや成功談)について詳しく話をする傾向があります。

自信をつけるためには、まずは自己評価が高く、「自分は褒められるに値する存在だ」と信じて受け入れられる自己肯定感(自分の存在を長所だけでなく短所も含めて肯定する)をもっていることが必要です。

例えば「もっとできるはず。もっと頑張るべき」などと、できなかったことにフォーカスしていると、ネガティブなエネルギーをまとってしまいかねません。だからこそ、まずはできたことにフォーカスして、「自分は頑張った」と肯定してあげることが大切です。できなかったことに対して反省するのも大切ですが、時には、「仕方なかった」と割り切り、「今回できることは全てした。次にもっと良い結果を出すためにはXXをしよう!」とポジティブな気持ちで取り組むことが、自己肯定、自信につながります。

また、他人から褒められることを待つのではなく、自分で自分を認めてあげることができれば、それが自信という形になって現れます。その際、褒められる評価の基準がしっかりしていることが重要です。そうでないと、例えば上司に褒めてもらいたいばかりにいいなりになる、腰ぎんちゃくになってしまうからです。

Aさんが「自信はありますか?」という質問に対して即座に「我ながら頑張っていて、すごいと思います」と笑って言えるようになれば、自己肯定ができて自信がついてきた証拠になるでしょう。

[コーチング]