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大自然に囲まれた壱岐の島で 日本の学校体験

大自然に囲まれた壱岐の島で
地元の子どもたちと一緒に
日本の学校体験

 

長期休暇を利用して子どもに日本の学校生活を体験させたい!そんな親の思いとは裏腹に、日本の学校側で受け入れが難しいケースも増えています。そこで試してみたいのが、昨年から始まった四つ葉学院の体験学習プラン。ソイソース記者が取材してきました。
取材・文:磯野 愛

 

子どもの日本での学校体験を希望する場合、親自身の母校や実家のある場所で、受け入れ校と直接交渉することになる。これがなかなか容易ではなく、特に東京都は期間限定で生徒を受け入れるというシステム自体が確立されていない。「日本での学校体験を願う親子の力になりたい」と、海外子女の受け入れ先を探していた四つ葉学院の西尾校長の申し出に、快く賛同してくれたのが長崎県壱岐市の教育委員会だった。

小学生は給食や清掃含め日本の学校生活を体験

壱岐の島は人口約2万5,000人、およそ南北17キロ、東西15キロの大きさで、佐賀県の北に位置している。島には18校の小学校、4校の中学校、2校の高校がある。四つ葉学院が主催する同地での体験学習では、基本的には現地の子どもたちと同じカリキュラムの中で学校生活を送る。事前に壱岐市の教育委員会を通じて、子どもたちの日本語レベルや性格などの情報が受け入れ先の学校にもしっかりと共有されており、適宜必要なサポートを受けられるので安心だ。また現地に暮らす子どもたちにとっても海外子女との触れ合いは、国際理解教育や異文化交流のまたとない機会にもなることから、教育委員会や観光局をはじめ、島をあげて歓迎してくれる雰囲気もとても温かい。

中学生は部活動にも参加

大自然にあふれた壱岐の島は、子どもたちの学びに絶好の環境で、まさに「教育の島」とも呼べる。古墳や遺跡からは歴史を、地層からは地学を、そして日本一の密度を誇るたくさんの神社や、島の人たちとの関わりからは、生きた道徳を日々学ぶことができる。島では全員が同じ民宿に泊まり、集団生活を学ぶ。そのほか、宿泊施設の目の前に広がる海で海水浴や釣り、花火を楽しんだり、また部活動に参加した中学生は先輩・後輩という日本独特の文化に触れたりと、日々訪れる新鮮な出会いに子どもたちはあっという間の1週間を過ごす。昨年、このプログラムに参加した子どもたちにとって、ここでの体験はもちろん、壱岐の子どもたちと今も続く交流は、今後の日本語学習への強いモチベーションとなっている。

海水浴や釣りなどアクティビティーも豊富

多感な時期に経験したことや感じたことは鮮明に覚えているもの。生涯を通じての友人と、この時期に出会ったという人は多いのではないだろうか。壱岐の島で体験するひと夏の経験が、子どもたちの大きな成長につながることは間違いない。受け入れ校が見つからず、子どもの学校体験をあきらめた経験のある方は、ぜひ参加を検討してみてはいかがだろう。

民宿での夕食玄海灘が育むおいしい魚を使った食事も楽しみのひとつ

 

昨年参加した親子の声

中学1年生

種類豊富な温かい給食には驚きました。教室を各自清掃することは、大人になってからも役立つ、いい経験になったと思います。部活動はソフトテニス部に参加し、毎日汗を流しました。民宿に戻ってからは、ほかの参加メンバーや先生に手伝ってもらい、その日の宿題に取り組みました。新鮮な食材を使った朝食や夕飯はとてもおいしく、たくさん食べることができました。初めての海釣りで魚が釣れた時は、心臓がバクバク言うほど興奮しました!

 

保護者

数々の古墳群や神社、コバルトブルーの海がある素晴らしい環境で1週間を過ごせました。日本語が頼りない娘を、壱岐の子どもたち、先生方は、大歓迎で受け入れてくださいました。アメリカでの体験話を聞くなど、壱岐の皆さんにとっても、貴重な経験となったようです。今後もお互いの経験をシェアして、有意義な文化交流ができたらと思います。

 

2019 夏の小中高校体験 九州・壱岐の島

開催期間:1期6月30日(日)~7月6日(土)、2期7月7日(日)~7月13日(土)

対象学年:小学1年生~高校生

参加費用:$1,880(宿泊費・食費)

※現地までの交通費、保険、学校経費、体験費用は別途かかります。費用詳細については以下にお問い合わせください。

※長崎県壱岐市内にて現地集合・現地解散となります。

■四つ葉学院
655 156th Ave. SE., A#290, Bellevue, WA 98007
☎425-736-3189
www.yotsubagakuin.com

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年6月まで北米報知社でセールス・マネジャーを務める。北海道札幌市出身。2017年に夫の赴任に伴ってシアトルに渡るまでは、日本で広告代理店に勤務し、メディア担当、アカウント・エグゼクティブとして従事。ワシントン大学でMBA取得後、現在はシアトル発のスタートアップ、Native English Instituteのマーケティング担当として日本市場参入準備に携わる。趣味はテニスで、大会(とその後の打ち上げ)の再開を心待ちにしている。