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小学生の子どもを持つ親は大変!?ホンネ座談会開催

パンデミックの中、日本語クラスのあるマクドナルド・インターナショナル小学校で日本語サポートのボランティアを始めたお母さんたちがいます。その活動内容や、小学生のいる家庭ならではのリアルな日常を語ってもらいました。

座談会参加者
Mさん(8年生男児・3年生男児)
Sさん(4年生女児)
Kさん(3年生女児・1年生女児)
Iさん(1年生男児)

小学校ではボランティアでどのような日本語サポートを?

M・S・I:昨年11月から、PTAの週刊ニュースレター英語版を翻訳した日本語版を配信することになり、翻訳に関心のあるお母さんたち4人でボランティア・チームが作られました。シアトルらしく、BLM(ブラック・ライブズ・マター)だ、ジェンダー・アイデンティティー(性自認)だ、ソーシャル・ジャスティス(社会正義)だと、日本語に訳すのが非常に難しいトピックが多く、チーム内では原文は参考程度にとどめ、日本人保護者向けにできるだけかみ砕いて書こうという方針で作成しています。

K:私は「スコッティ通信」という学級新聞的な日本語ニュースレターを昨春から手掛けていて、今は3人のチームで活動しています。コロナ禍で学校側から大量のメールが届く中、知りたい情報が見つからずに困っている方が多いと感じていました。学校や先生に問い合わせるほどでもないちょっとした情報をカバーしつつ、お弁当の中身やホリデー・ギフト候補など軽い読み物も入れて、楽しんでもらえるように工夫しています。

ソ:それは助かりますね! 反応はありますか?

K:皆さん、アンケートにもとても協力的で、『いつも楽しみにしています』などと書かれているとうれしいですね。

M:うちはお兄ちゃんが別の公立小学校に通っていたのですが、ここはボランティア活動が盛んで驚いています。イベントがたくさんあるし、ファンドレイジングも活発で、それが子どもたちの幅広い体験に反映されているように感じます。たとえば、他校では音楽とアート、どちらの授業を寄付金で賄えるかというところを、両方とも受けられます。同じシアトルでも、学校によって全く違いますね。

メールで毎週配信されるPTAニュースレター日本語版の創刊号と最新号英語版もコーディング含め保護者が手探り手作りで作成しています

公式ニュースレターにはない身近な話題がたっぷりのスコッティ通信同校のマスコットキャラクタースコッティが名前の由来

子どもたちの勉強は?

I:フルタイムで働いているので、学校のリモート期間はランチ時間を長めに取らせてもらったり、有給休暇を活用したりして、会社の理解やサポートのおかげもあり、何とかやりくりすることができました。まだ子どもが小さいため、慣れないオンライン授業では集中力が続きにくい時もありましたが、先生もおおらかな対応でしたね。すっかりリモート慣れしていた子どもも、やっぱり対面式授業が始まるとうれしそう。

M:夫も日本人で家では日本語のみなので、学校のリモート期間は英語でのコミュニケーションが減りました。下の子は英語の読み書きの力が弱くなり心配しましたが、対面式授業の再開と共に戻って安心しました。

K:うちも! 私は日本語、夫はロシア語で子どもと話し、英語は学校で習うものという認識でいたところに、英語に触れる機会がなくなったもので、他の教科への影響がないか不安でした。算数は日本で自分が学んだやり方と違い、親のほうが戸惑うことも。子ども2人の毎日のスケジュールを理解して時間通りに課題をやらせるのは大変で、特にアートや音楽、体育などのクラスでは急に道具が必要とわかってあせる時もありました。でも、オンライン授業で普段の学校での様子が垣間見られたのは良かったかも。

S:わが家はパンデミックになってから予想外の出費が重なりました。最初、現地校でも補習学校でも課題を自宅で印刷して取り組むことになってプリンターを買い、オンライン授業に移行すると、仕事に支障をきたし始めたので自分用にノイズキャンセリングのヘッドホンも買うハメに……。日本語力が落ちないように、日本から教材を取り寄せるなどもしました。採点してスキャンしてメールしてと親の負担は大きく、ストレスで子どもに当たってしまったことも。あと、周りで聞いた話ですが、オンライン授業のクオリティーに不満で、それまでとは別の学校に移った家庭も少なくなかったようです。学校や学年、担当する先生のITスキルによって内容にかなり開きがあったみたいですね。

日々の暮らしぶりは?

K:初めの頃はすぐ元に戻ると考えていたので、家族の時間は増えたし、早く起きなくて良いし、割と巣ごもり生活を楽しんでいたように思います。

S:そうそう、子どもとお菓子作りしたり!

M:子どものオンライン生活への対応力がすごくて、特に上の子は友だちとオンラインでゲームなどをして遊ぶ時間が一気に増えました。なので、意識的に声かけし、手伝いをさせるなどして、なるべく部屋から出すように心がけています。

K:自粛続きで、子どもの成長の機会や貴重な経験をかなり逃していると思うと残念。あと、家の中がずっと散らかりっ放し。

一同:わかる〜。

I:仕事も家事も子どもの勉強もと、やることが多過ぎて……。学校のリモート期間は試行錯誤の中のマルチタスクで、体力的にも精神的にもつらい時期がありました。月並みですが、こういう時こそ労り合いが大切だと痛感しましたね。

アクティビティーは?

S:うちの子どもは放課後、親しくしているお友だちの家で遊ばせてもらうことが多かったのですが、外出制限で難しくなってしまいました。仕事に集中する時間を確保するため、子どものオンラインの習い事をいっぱい始めたのですが、現在もそれが続き収拾がつきません(苦笑)。

M:友だちとのプレイデートやスリープオーバー、誕生日会などのお誘いをどう判断して良いのか、悩ましいところです。各家庭によって、感染対策への考えはさまざまなので……。転校して慣れたところでパンデミックになったため、子どもにとっては友だちとの仲を深めるチャンスだと思うと、余計に複雑な心境です。

K:認可ではなく緊急使用のみ許可されている段階で小さな子どもにワクチン接種させる決心がいまだにつかない状態です。ただ、屋内施設入場に陰性証明が毎回必要になり、友だちと遊ぶ計画を立てるにもワクチン接種の有無を聞かれるなど、目に見えて影響が出ています。

S:フィールド・トリップなど、感染対策でキャンセルになっている小学校のイベントがたくさんあります。通常なら、日本語クラスの5年生は日本でホームステイ体験ができるのですが、来年度は実施されるかな?

I:こんな時だからこそ、子どもや先生、保護者が和気あいあいと楽しめるイベントは必要。オンラインだけでなく、対面式でも早期再開が望まれますね!


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