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コロナ禍で学びにチャレンジ、私の場合

●留学の成功は自分次第

「逆境が人を強くする」。数年前のひねくれた私ならきっと、そんなわけがないと鼻で笑っていたと思う。しかし、コロナ禍という逆境の中、約1年間をアメリカで過ごしてみて、この常套(とう)句が決してうそではないのだと強く実感するようになった。

私がシアトルにやって来たのは、2021年が明けて間もない1月上旬。新しい生活が始まることに当初はソワソワしていたが、その期待は早々に裏切られることになった。

なぜなら実際の私は、想像していた学校生活と程遠い日々を過ごしていたからだ。授業は全てオンラインかつほとんどのクラブが活動休止。寮ではなくホストファミリー宅でのホームステイを希望したため、学校の友人を作る機会が全くと言っていいほどなかった。

一方で、充実した日々を過ごす大勢の留学生たちもいた。そんな彼らに共通していた点は、今の状況に対し否定的になるのではなく、できる活動に挑戦を惜しまずいたということ。毎日を前向きにアクティブに過ごす彼らの姿は、コロナ禍で人とのつながりが希薄になった今だからこそ、模索を続け積極的に行動へ移す必要があるのだと強く思わされた。

ミャンマーから来た、とある留学生も、私のように1年以上オンライン授業を受ける傍ら、学校主催のオンライン・イベント、ボランティアやアルバイトなどに積極的に参加することで交友関係を広げたと聞く。コロナ禍という逆境は私たち留学生にとって成長するチャンスでもあるのだろう。彼らから得た教訓は、今の私の留学生活におけるモチベーションとなっている。(T)

●コミュニティー・カレッジでESLを体験

米国では、英語を母国語としない移民や難民のための学習プログラムとしてESL(English as a Second Language)が設けられ、地域の教会や図書館では無料で受けられることも多い。しかし、体系的な授業を望むなら、コミュニティー・カレッジなどでESLを受講するのがおすすめ。ビザのステータスによる制限はあるものの、ワシントン州では1学期当たり25ドルほどで本格的な英語の授業を受けられる。一般的に四半期制で、1、4、7月の初めと、9月末にそれぞれの学期が始まることが多い。

2021年3月初旬、夫の転勤に伴い一緒に渡米した私は、4月からの受講に合わせてすぐさま学校探しをスタート。ネットで「ESL near me」と検索すると、近辺の学校情報が見つかる。コロナ禍で授業はオンラインに切り替わっていたため、問い合わせから登録まで全てのやり取りをメールや電話で行った。

学校が決まったら、いよいよ第一関門となるクラス分けテストだ。私の場合、テストは電話で実施された。まず、出身国や米国に来た理由など、いくつか事務的な質問に答えると、その後「自己紹介」、「シアトルでこれからやりたいこと」の2つの課題が出された。電話を切ってから、制限時間の30分以内に英語で書いたものをメールで提出し、クラスが後日決定されるといった流れだった。ここで背伸びをすると、授業についていくのが大変になるので、ありのままで臨むべし。

実際の授業はZoomで受講した。シラバスや課題、成績はCanvasというオンライン・システムで管理される。パソコンがなくても学校が貸し出してくれるので心配無用。日常生活で必要なフレーズや、ネイティブならではの言い回しが学べる。3、4人のグループで議論する時間も設けられ、会話の練習にもなっている。もし受講を迷っている人がいたら、怖がらず一歩を踏み出してみて欲しい。必ず米国生活の助けになってくれるはずだ。(A)


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