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第41回 日本に本帰国したい。そして、アメリカ在住の母を日本に呼び寄せたい①環境づくり〜日本の親は大丈夫?アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

第41回 日本に本帰国したい。そして、アメリカ在住の母を日本に呼び寄せたい ①環境づくり

アメリカの物価高や介護・医療面の不安から、日本への本帰国を考える人が増えています。ただ、長くアメリカで暮らしていると「日本の環境になじめるのか」と不安を抱く人も少なくありません。今回はアメリカ在住の母と息子が日本への本帰国を進め、母が老人ホームに入居するまでの事例をもとに、本帰国に向けてどのような準備が必要になるのか、日本ならではの社会の仕組みや手続きとあわせて、3回に分けてご紹介します。

ニューヨーク在住の息子。
日本に本帰国し、アメリカ在住の母を呼び寄せたい

Aさん(40代)はニューヨーク在住30年以上。母は70代後半で在米歴は50年以上です。現在はマイアミで娘家族の近くで一人暮らしをしています。数年前から母に認知症の症状が見られるようになり、泣きながらAさんに電話をかけてくることも増えてきました。Aさんは「これから母をどう支えればよいのか」と悩み続けた末、一度専門家に相談してみようと弊社団に相談がありました。Aさんの希望は「母に安全で安心できる環境で穏やかに暮らしてほしい」ということでした。一方、Aさん自身も最近の急激な物価高や医療費・介護費の高騰を受け、自分の老後や暮らし方を見つめ直すようになっていました。「日本に本帰国するのも一つの選択肢かもしれない」と考え始めたのです。ただ、Aさんは15歳でアメリカに渡り、その後、日本に一時帰国したのは一度きりでした。「日本の環境になじめるだろうか」という不安は大きかったそうです。そこで、私たち専門家とオンラインでのミーティングを重ね、日本の介護事情や医療面を含む生活環境を確かめるため、一時帰国することになりました。

日本では身元保証人が必須。
母を日本に呼び寄せるため、Aさんの生活基盤を築く

Aさんが一時帰国する前に、まずはAさん専属の専門家チームづくりからスタート。

在宅介護や老人ホーム探しに詳しい介護相談員

国際相続やビザに強い行政書士

シニア対応に特化した身元保証会社

専門家全体の調整を担うプロデューサー

4者で連携し、Aさんと母をトータルで支える体制を整えました。その後、Aさんは2カ月間、日本に一時帰国。母のための老人ホームを3カ所見学し、自身が暮らす場所を探すため日本各地を訪れました。生活環境や仕事の条件、賃貸住宅の相場などを確認したうえで、Aさんは「日本への本帰国」を決めました。「母にはやさしい日本語で話してもらえる環境の中で、湯船にゆったりとつかれる暮らしをしてほしい」。それがAさんの希望でした。

日本では、入院や施設入居の場面で、身元保証人や身元引受人、緊急連絡先などを求められることが少なくありません。アメリカ暮らしが長かったAさんには、日本で頼れる親族は母の妹、つまり叔母しかいませんでした。ただ、叔母も高齢のため気軽に頼める状況ではありません。身元保証人は金銭面での責任を負い、身元引受人は緊急時に24時間365日駆け付ける必要があります。そのためAさんは自分ができる限りその役目を担うことを前提に動くことにしました。ニューヨークでの生活を整理するため、いったんアメリカに戻り、その1カ月後に再び日本へ。ここから各種手続きや日本ならではの社会の仕組みによる壁が次々と立ちはだかってきます。

時代は変わりました。家族だけで介護を抱える時代ではありません。自分だけで悩まず、専門家のチカラを借りてチームを組んで前に進んでいきましょう。私たちはあなたの応援団です。いつも全力で応援しています。

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横畠 文美
一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース @salon_de_hearth