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愛と自然の物語「ライオン・キング」〜イベントクローズアップ

ディズニーが誇る大人気作、シアトル上陸中!
愛と自然の物語「ライオン・キング」


1997年、ミネソタ州ミネアポリスのオルフェルム劇場から歴史の一歩を踏み出して以来、今もなお世界各国で絶大な人気を誇るミュージカル「ライオン・キング」が来年の1月4日(日)までパラマウント・シアターにて上演中です。

取材・文:西村あい

物語は、動物たちが暮らすプライド・ロックにて主人公のライオン、シンバの誕生から始まる。未来の王として愛されて育ったシンバ。しかし、王位継承順位の下がった叔父のスカーが欲に駆られ、幼いシンバをだます。父、そして王であるムファサが絶対に行くなと禁じたゾウの墓にシンバを誘い危険にさらすところから彼の運命が徐々に狂い始める。

© Matthew Murphy

冒頭、王子として生まれたシンバを祝福する場面。荘厳な響きに、会場全体が魅入る

舞台であるパラマウント・シアターは、豪華絢爛で高い天井と重厚な装飾が観客を非日常の空間へといざなう。開演すると、観客席の通路へも舞台が広がり大胆な演出が織りなされる。まるで自分自身がワイルドな動物の王国へ飛び込んだかのような感覚になる。特に序盤の「サークル・オブ・ライフ」のシーンでは、衣装をまとった大きな動物たちが四方から現れ、劇場全体が野生的な空気に包まれた。

© Matthew Murphy

シンバの人生の躍動感は、草木の揺れまでキャストが表現していることも理由の一つ。劇団員全員の魂がこもった演出

衣装は、各々の動植物の動きや質感をよりリアルかつ壮大に見せるため、細部まで工夫が凝らされている。ゾウやキリン、ガゼル、シマウマ、鳥類、草木まで……生き物特有の躍動感が視覚から伝わる。そして物語が進むにつれシンバが成長し、色彩もより豊かになっていった。

ミュージカルの醍醐味、音楽にも圧倒された。アフリカンビートとオーケストラ調の音楽にキャストの力強い声楽が重なり、その全てが劇場の隅まで響き渡る。満点の星空の下、ムファサがシンバに「お前の中に生きている」を歌いかけるシーンは、親子の限りある時間を思う切なさと深い父性に満ち、物語の奥深さを鮮やかに描き出していた。

© Joan Marcus

サバンナにいるかのような臨場感たっぷりの捕食シーン

ハラハラする場面、ジャングルのにぎやかさにワクワクする場面、キャストのユニークなジョーク。ミュージカル「ライオン・キング」は人間が野生であった頃の残り香を呼び覚されるような、心に残る作品だ。小さな子どもから大人まで魅了されるこのミュージカルにぜひ足を運んでいただきたい。

Lion King
日程:上演中〜2026年1月4日(日)
場所:The Paramount Theatre
911 Pine St., Seattle, WA 98101
料金:$49〜 ※6歳以上推奨
問い合わせ:☎️888-451-4042
チケット・詳細:www.stgpresents.org/events/disneys-the-lion-king