Home 特集 地震・災害に備える

地震・災害に備える

地震・災害に備えて 在シアトル日本国総領事館より

地震が起こったら
揺れを感じたら、「Drop, cover, and hold(身をかがめて、頭を覆い、何かにつかまる)」が基本。慌てて避難するのではなく、できるだけその場で揺れが収まるのを待つ。以下は状況別の対処方法。

・家にいるときは103
急いで机やテーブルの下に身を隠したり家具の少ない部屋に移動し、ガラスから離れる。適当な場所がないときは本やクッションなどで頭を保護する。調理中の場合は火と熱湯から離れる。 ビルの窓ガラスの破片などが落ちてくることがあるので、慌てて外に飛び出すことはかえって危険な場合がある。203 一度揺れが収まっても余震が来る。揺れがいったん収まったら落ち着いて火の始末をしてガスの元栓を締める。電源などから火花が散っている場合はブレーカーを落とす。倒れかかった家具やガラスには近づかない。 屋外には、揺れが収まってから、がれきの上を歩ける履物で出るのが原則。避難するときは近所に声をかける。

・外出中は703
窓ガラスや看板などが時速40kmのスピードで、しかも広範囲に降ってくる危険がある。カバンなどで頭を保護し、落下物の危険のない空き地、頑丈な建物の中や街路樹の下などに逃げる。

・買い物中は
カバンや買い物カゴなどで頭を保護し、陳列ケースや商品棚から離れる。柱のそばや壁際などに身を寄せて揺れが収まるのを待つ。子どもを連れているときは、必ず子どもの手をつなぐ。出口や階段、エスカレーターに殺到するのは非常に危険。エレベーターは使用せず、階段で避難する。

・車を運転中は
急ブレーキをかけるのは危険。徐々にスピードを落として道路脇に駐車する。立体交差や橋、電線の下など危険な場所に駐車してはいけない。揺れが収まるまで車中で待つ。なお日本では、緊急車両の通行を妨げないために、車を離れて徒歩で避難するときはキーを車に付けたまま避難するという決まりが浸透している。

・車いすの場合
可能であれば、建物の中や安全な場所に車いすごと避難する。車いすのトッパーをかけて、腕などで頭と首を覆う。

・沿岸部では
大きい地震の後には津波の危険があり、津波警報が発令される前に、地震から数分で津波が来襲することがある。また、最初の津波より第2波、第3波のほうが大きい場合がある。大きな揺れを感じたら海岸や湾には絶対に近づかず、直ちに高台に避難す。近くに高台がないときは、頑丈な建物のできるだけ高い階に避難する。家族が離ればなれの場合は、自分一人で避難しなければならないこともある。家族はみんな自力で避難しているものと信じて行動し、引き返したりしないこと。津波の多い地方では「一人で裏山に登れ、家に引き返すな」という言い伝えが残っているところがある。

・津波の恐怖
東日本大震災と同規模の津波は以下のように表現することができる。

沖合での津波の高さは2階建ての家と同じ高さ。スピードは新幹線よりも速いことがある。津波が陸地に到達すると海抜10m以下の陸地は水没し、家屋や樹木などが流され、地形によっては海抜30m以上の高さまでがれきが押し上げられる。津波は海からの距離に関係なく、海抜の低いところを内陸に向けて数キロ進む。

津波は私たちが想像しているよりはるかに速く、はるかに強力。地面から数十センチの深さの津波で乗用車は簡単に流される。人間は深さ30㎝の清流であっても逆らって歩くことはほぼ不可能で、ましてがれきや土砂とともに流れてくる津波に逆らうことはできない。とにかく押し寄せる前に逃げること。 海から遠い所よりも、高い所を目指して逃げることが必要。目安としては、海抜100フィート/30m以上の高台を目指すのが良い。高台がない場合は建物の3階より上に上がる。

 

・高いところへの避難
シアトル市ダウンタウン付近の海抜がどの程度かを見ると、ウォーターフロントからパイオニアスクエア、セーフコフィールド周辺にかけての平地は海抜10m以下。パイクプレイスマーケットの通りが約25メートル。ウェスト・レイク・パークが約35m。I-5は50~60m。ベルビューのマーケットプラザは海抜約50m。 ワシントン州の津波避難情報のTsunami Evacuation Map(fortress.wa.gov/dnr/geology/?Theme=tsunami_evac)で海抜が確認できるので、自宅はもちろん職場やマーケットなど、よく行く場所の付近や行き帰りの経路など、自分の行動範囲について海抜を前もって調べておき、いざというときの避難場所をイメージしておくと助けになる。

日常的な地震対策 ・自宅に安全地帯を確保する
ベッドに倒れかかる位置に家具や棚などを設置しない。居間や台所の家具やつり下げ式の照明などは市販の器具などを使って転倒・落下防止を図る。

・避難場所を話し合う403
地震が来る前に、職場や家庭で避難場所や集合場所を話し合っておくことが重要。

・州外の連絡先を決めておく
災害発生時には、長距離電話のほうがかかりやすい場合がある。州外の知り合いなどに被災地で離ればなれになっている家族同士の連絡拠点となってもらい、各人の居場所や合流方法を伝えてもらう。

・電話がつながらない際の連絡方法を話し合う
携帯電話がつながりにくい場合に備え、テキストメッセージやSNSなど、可能な連絡手段をあらかじめ複数準備しておく。

・大規模災害の被災地にいる日本人の安否照会方法
外務省では、「オンライン安否照会システム」を開設した。このシステムは、大規模な緊急事態が発生した際に外務省の海外安全ホームページ上に立ち上げられるもので、被災地の日本人の安否を照会できる。利用方法は外務省のホームページを参照。www.anzen.mofa.go.jp/c_info/online.html

・災害発生時の情報収集手段を知っておく阪神・淡路大震災3
キング郡などでは、災害発生後にラジオやテレビで情報を収集するようすすめている。また、連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、携帯アプリなどを通じてもシェルター情報を発信する。こういった手段で避難場所、飲用水、食料、防寒具などの配布場所などについて情報収集する。デマに惑わされないこと。

・その他
外務省では海外での緊急事態に備え、在留邦人や日本人短期渡航者との間で一斉通報・安否確認のためのショートメッセージサービスを開始した(米国においては一斉通報機能のみが整備されている)。このサービスを受けるためには在留届(www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu)、または「たびレジ」(www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg)に登録していることが必要。この際、ぜひ登録をお願いしたい。

在シアトル日本国総領事館
601 Union St #500, Seattle, WA 98101
☎ 206-682-9107
www.seattle.us.emb-japan.go.jp