Ltd Edition Sushi
リミテッド・エディション・スシ
2021年7月に持ち帰り寿司で営業を始め、同年12月におまかせスタイルで店内飲食を開始したリミテッド・エディション・スシ。若者でにぎわう街、キャピトルヒルにふさわしいスタイリッシュな雰囲気とサービスに、リピートしたくなること請け合いです。
取材・文:河野 光
写真:ジェシー・リベラ
シアトルを好きな理由に、新鮮な魚介が豊富だから、と答える日本人は多いだろう。笹の仕切りの間にきちんと整列した美しい箱詰めがSNSで評判を呼んでいたリミテッド・エディション・スシ。店内でのおまかせコース提供が始まり、寿司や海鮮料理に目がない筆者も早速訪れた。
オリジナリティーが反映された寿司15貫を含む120ドルのおまかせコースは、1日32食のみ。ネタは季節や仕入れ状況により変わる。まず印象的だったのは、千葉県勝浦のはえ縄漁によるマグロの鮮やかな赤身だ。特に食感のバランスが素晴らしく、かみごたえがありつつも滑らか。カウンター席では手渡しとなる手巻きスタイルのウニも絶品で、日本産、米国産の2種類を1度に味わえ、ウニ好きにはたまらない。甘めのだしで味付けされたブラック・コッドのあぶりは、柔らかな身がほろほろと口の中でほどける。アナゴやウナギとはまた違うタラの煮付けのおいしさにうならされた。
オーナー・シェフを務めるのは、2012年にポートランドからシアトルへ越してきた塚崎啓司さん。福井県の出身だ。寿司割烹田むら、シローズ寿司を経て、2017年に寿司かしばへ。シアトルの寿司を語るうえで欠かせない存在、加柴司郎さんの下で腕を磨いた。プロのDJとしての経歴も持つ啓司さんは、寿司職人の仕事もライブ・パフォーマンスと共通するところがある、と話す。「自分の手で作り出したものを目の前のお客さまに直接提供し、すぐに反応が見える。これはDJも同じ。このデジタル社会で、なんともアナログなところがたまらないんです」。啓司さんのパートナーで魚の仕入れを担当する小林 純さんは、シローズ寿司で6年間、ヘッド・シェフを務めていた。日本の水産業者とのコネクションはシアトル一と自負する、魚の扱いに精通したエキスパートだ。
確かな品質のネタと寿司の味、シェフたちとの楽しい会話は、思い出すだけで顔がにやけてしまう。カウンター席はすぐに埋まってしまうので、予約はお早めに。人気を博した持ち帰り用の箱詰めも、1日限定数に絞り、今春に復活を予定している。
Ltd Edition Sushi
1641 Nagle Pl., #006, Seattle, WA 98122
営業時間:5pm〜9:30pm 定休:日月
saki@ltdeditionsushi.com
www.ltdeditionsushi.com