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シアトル最古の中華料理店 タイタン(Tai Tung)

1935年創業の中華料理レストラン、タイタン(Tai Tung)はシアトルに現存する中華料理屋で一番古い、歴史ある店。創業したのは現在の店主ハリー・チャンさんの祖父クアンさん。ハリーさんは、1968年に渡米して以来同店で働き続け、父、兄の後を継いで、今でも家族とともに店を営む。

店の外観
店の外観

中華街の中心地であるキングストリート沿いにある同店には、有名シェフのトム・ダグラスや、ビル・ゲイツ、政治家、スポーツ選手などの名だたる著名人が足を運んでいるそうで、店内に掛けられた様々の写真から、歴史ある店が多くの人々に愛されて来た様子が伝わってくる。長年の常連さんも多く、中には5世代に渡って通う客もいるそうだ。

ブルース・リーが愛した店

ブルースリーの座席

常連だった有名人の中で特によく知られるのが、ブルース・リー。彼がまだ有名になる前には、頻繁に来店していたそうだ。店内の奥のコーナーには、ブルース・リーのお気に入りだったいつもの席がそのまま保存されていて、ポスターや写真などが飾り付けられている。噂を聞きつけて世界中からファンが訪れるそうだ。最近では、ブルース・リー流のヌンチャクを完全にマスターして注目を浴びている今井竜惺君も日本から訪れ、憧れの大スターゆかりの地を楽しんだという。

TaiTungを訪れた著名人
TaiTungを訪れた著名人
オイスタービーフ
Oyster Sauce Beef with Rice

「ブルース・リーはこれを食べてエネルギーを蓄えていたんだよ」と言ってハリーさんが出してくれたのは、牛肉オイスターソース(Oyster Sauce Beef with Rice $7.95)。カキの風味がしっかりと効いたソースがライスの上にたっぷりとかかり、よく煮込まれた柔らかな牛肉と玉ねぎが入った、昔から人気のメニュー。ハリーさんがチャイニーズワサビと呼ぶマスタードを少し入れるとピリリと味が引き締まる。肉が柔らかいのに驚くと、「料理のクオリティーを維持するために、いい肉を使ってる」と胸をはった。祖父のクアンさんは料理の質を最高にするため、常に新鮮な材料を使った中華料理を作り続けたそう。今でもその伝統は受け継がれ、食材には気を使っている。

Shrimp Egg Foo Young
Shrimp Egg Foo Young

こちらも同店人気の一品「エビ芙蓉蛋(Shrimp Egg Foo Young $8.95)」。しっかりと火が通ったタマゴの中に、小ぶりのエビとモヤシがたっぷり入って、上にかかったオイスターソースと絡めて食べるとしゃきしゃき、ぷりぷりな食感。タマゴをたっぷり3個使っており、ひとりでは食べきれないほどのボリューム。ご飯($1)は別オーダー。

Sui Mai
Sui Mai

シュウマイ(Sui Mai $0.80)は、豚のひき肉、エビ、シイタケを団子のようにして、ワンタンの皮で包んで蒸したもの。身がぎゅっと詰まっている。

魅力的な店主の人柄

数々の有名人が訪れているということで、「どのお客さんが一番好きですか?」と聞くと「もちろん、みなさん好きです(笑)」と言い、「タイタンという店名はね、私の祖父が『みんな平等に扱う』っていう意味でつけたんだ。だからお客さんみんなを平等に扱いますよ」
接客中のハリーさんは終始笑顔で気を配り、物腰柔らか。彼の人柄に惹かれて来店する客も多いに違いない。
ハリーさんは「戦前この周辺が日本街として賑わっていたころは、もっとたくさんの日本人がお店を訪れてくれていたそうです。その頃のように、また多くの日本人の方たちに来店して欲しいですね」と語ってくれた。

店主のハリーさん-min
店主のハリーさん

 

Tai Tung Restaurant
655 S. King St. Seattle
営業時間:日~木 10am~11am、金・土 10am~1:30pm
☎206-622-7714、622-7372
www.taitungrestaurant.com