Home インタビュー シルク・ドゥ・ソレイユの日...

シルク・ドゥ・ソレイユの日本人ヨーヨーアーティスト BLACK(ブラック)さん

シルク・ドゥ・ソレイユの新作、「キュリオス(KURIOS~Cabinet of Curiosities~)」が3月22日までシアトルで初公開中。パフォーマーの一人として出演している日本人のヨーヨーアーティスト、BLACKさんに話を聞いた。
取材・文:近藤玲子

ヨーヨーの社会的評価を高めたい
BLACKさんは、ヨーヨーの世界大会で2度チャンピオンになった経歴を持つ。彼が初めてヨーヨーを手に取った14歳の頃、日本では「ハイパーヨーヨー」という玩具の大ブームが起こっていた。4年後には世界一の座を掴むが、玩具にすぎないヨーヨーを仕事にすることはできず、大学卒業後は一般企業に就職。「金メダリストであっても社会的評価などは伴わず、自分の青春時代をすべてを懸けた努力が認められなかったようで悲しかったです」と語る。しかし一念発起、ヨーヨーの社会的評価を高めたいという志を持って会社を辞め、シルク・ドゥ・ソレイユの舞台に立つことを決意した。
入団には、まずシルク・ドゥ・ソレイユのホームページに自分のプロフィールを登録し、その後でオーディションを受ける。合格すれば、アーティストとしてリストに加えてもらえるが、登録アーティストは3,000人から4,000人もいて、その時点では特別な契約は何も交わされないそうだ。しかもヨーヨーは特殊なためアクロバットやダンサーのようにどのショーにでも出られるわけではなく、登録後4年間は日本でパフォーマンス活動を続けながら、いつ招集されるかわからない日々を過ごした。
2014年4月、「キュリオス」初公演の20日前、ついに出演依頼が来た。ショーの中でも数少ないソロパートもあり、BLACKさんは「急な依頼に驚きましたが、即戦力として認めていただけたことが嬉しかった」と話す。シルク・ドゥ・ソレイユの舞台にヨーヨーアーティストが立つのは初めて。スチームパンクをテーマとしたショーの中の「時の支配者」が彼の役柄。それに合わせて、従来演じていた日本らしさを基調としたスタイルとは正反対の、西洋を意識した動きや表情作りを、日本のアニメのキャラクターを参考に作り上げている。

「キュリオス(KURIOS)」は、シルク・ドゥ・ソレイユの最新作。19カ国から集まった107人のツアーメンバーで構成されており、週に6から10公演行う。レドモンドのメリモアパークで3月22日まで開催。

2015年1月29日~3月22日
Marymoor Park
6046 West Lake Sammamish Pkwy NE, Redmond, WA 98052
www.cirquedusoleil.com/Kurios